分からないことばっかり

「いじめではなく遊びだった」

ハチを食べさせようとしたり、自殺の練習をさせたり、椅子に手足を縛り
付けたりする遊びなどない。断言する。

大津市のいじめ自殺事件はなんだかとってもおかしい。加害者たちが
自己保身に走るのは当然だろうけど、市は一転、和解とか言い始めた。

それなのに、市長と教育長の発言内容には明らかな温度差がある。

死んでしまった者は守る必要はない。生きている加害者の方が大事だ。
そう言っているように聞こえるのだがね。

『オウム全記録 彼らの暴走は終わったのか』(週刊朝日 緊急増刊)
読了。

犯人不明のままの未解決事件は数々あれど、犯行に関わった人間の
判決まで出ているのに未解決というのはオウム真理教が引き起こした
事件くらいだろうか。

本書は週刊誌の増刊号である。最後の逃亡者であった3人が逮捕された
ことによる緊急出版だろうから、多くは期待せずに読んだ。

まぁ、事件当時に報道された内容の焼き直しだな。あの当時を知らぬ世代
には初めて知ることだろうし、知っている世代でも地下鉄サリン事件以外の
事件を思い出すことが出来る。

単なるヨガ・サークルのような集団が、テロ集団に変化したのは1990年の
衆議院選挙での見事なまでの全員落選だった。

どこの駅前だったか。訪問先から東京・青山にあった事務所へ戻る時に、
「ショ〜コ、ショ〜コ…」との妙な歌と共に選挙運動をしていた彼らを見た
ことがある。

あまりに邪魔くさかったのだろう。通行人から罵声を浴びせられていた
のを覚えている。

かぶりものをかぶった、白装束の妙な集団。そんな意識しかなかったが、
後々、あんな凶悪事件を起こすとは思っていなかった。

「自分がいなくなったらオウムに連れていかれたと思って警察に届けて
くれ」

目黒公証役場事務長だった仮谷氏が残したメモが切ない。

アレフと名を変えたオウム真理教だが、今でも元教祖が収監されて
いる小菅拘置所詣でが行われているという。

麻原は一連の事件に関して一切語ることはせず、死刑が決定された。
しかし、彼の刑を執行することは「殉教」との印象を与えるのではないか。

逮捕前に村井秀夫が刺殺されたのはつくづく残念だ。彼が法廷に立った
のなら、もう少し事件の真相が分かったのではないだろうか。

尚、教祖より美しい空中浮揚を完成させた江頭2:50は凄いぞ。本書には
その写真も掲載されている。あ…被害者の会の弁護士さんもやってたな。