目くらましには騙されないぞ

バカの壁」。養老先生のベストセラー本のタイトルではない。都営
地下鉄と東京メトロ九段下駅の間にあった壁の一部が撤去された
現場を見ての、猪瀬直樹京福都知事のひと言である。

あの壁がなくなったら乗り換えは便利になるだろうね。猪瀬福都知事
それを強調したかったようだ。

だが、経営統合は待ってくれ。都営地下鉄が抱える約1兆円の借金を
まずはどうにかしてくれないか。東京メトロは優良企業だ。そこへおんぶ
して帳消しにしようってのはなしだぞ。

抱えている路線数や利用者数が圧倒的に違うから、東京メトロ
一緒にすれば借金もどうにかなると考えているのだろうが、メトロ
利用者としては都営の借金を運賃に上乗せされたらたまらんっ!

そもそも初乗りが高いんだよな、都営は。専門学校時代、見学授業が
都営地下鉄でしか行けないからという理由で欠席したこともあったしな。

経営努力をして下さいな。一度ブッ潰れた日航は、再度の上場を計画
するまでになったぞ。都営も借金を減らしてから東京メトロにお願い
しなさいな。

利便性をめくらましに使うなよ、猪瀬。

『官報複合体 権力と一体化する新聞の大罪』(牧野洋 講談社)を
読み始める。

「第4の権力」として他の権力を監視するはずだった新聞なのに、
その役目を果たすどころか権力のプレスリリースと変わらぬ姿
になっている。

アメリカの新聞と対比させながら、日本の新聞が抱える問題を
炙りだす。