見逃したものを見つける

『未解決事件 死者の声を甦らせる者たち』(マイケル・カプーゾ 柏書房
読了。

ノンフィクション読みには魅惑のキーワード「未解決事件」。新刊書店へ
行って、本のタイトルやサブタイトルにこの言葉が入っていると無条件
で手にしている。

本書はアメリカで発生した未解決事件の捜査に助言的役割を果たす
「ヴィドッグ・ソサエティ」の活動を追っている。

世界初の私立探偵フランソワ・ヴィドッグに敬意を表して名付けられた
団体には、連邦捜査官、法医学者、犯罪心理学者等、犯罪捜査に
手腕を発揮した人々で構成されている。

彼らは事件発生から2年以上経過し、犯人が判明しないままの事件に
ついて担当の捜査関係者へ助言を与え、解決に導く手助けをする。

逃亡犯の経年劣化した胸像を造る法医学アーティストやプロファイリング
は非常に興味深いし、事件の経過も面白いのだがいかんせん、いくつも
の事件解決が並行して語られており章立ても短いので混乱する。

多分、原書が饒舌なのだろうが翻訳する時に少々省いてもよかった
のではないかなぁ。それに翻訳の文章がこなれてない感じもする。

しかし、アメリカには未解決事件がおおいのだな。時効がないお国
だから仕方がないのだろうけれど。また、それだからこそ、数十年
経っても犯人逮捕が出来るのだろうけれど。

それにしてもプロファイラーって凄いな。分析した通りの人物が犯人
なんだものなぁ。

日本で冤罪だとされている事件も、彼らにお願いすることは出来ない
のかねぇ。しみじみ。