そこにあったのは地獄だった

大飯原発は「再起動」するのだそうだ。揚げ足を取るつもりは
ないが、野ダメ首相よ、それは「再稼働」の読み間違いか?
それとも原稿に本当に「再起動」と書いてあったのか?

昨日の会見を見ながらテレビに突っ込んでいたのだが、
今日の新聞はどこも「再稼働」と書いていた。会見に出席して
のならきちんと書こうよ、「再起動」って。

まったくねぇ、フリーズしたパソコンじゃないっつーの。

『3.11 複合被災』(外岡秀俊 岩波新書)読了。

もし、2011年3月11日に起こったことが地震だけだったなら。
そうであれば、あれだけの数の死者・行方不明者を出さなかった
のではないだろうか。

「未曾有」。地震津波に関しては、正に未曾有の自然災害だった。
そして、追い打ちをかけるように発生した福島第一原発の事故。

著者は被災地を丹念に回って取材し、被災した人たちの生の声を
掬い上げこれまで自治体や国が行って来た防災対策の問題点を
浮き彫りにしている。

東日本大震災関連の作品の常で原発事故に多くのページが
割かれているのは仕方ないのか。地震津波をもう少し詳しく
描いて欲しかったが。

自然災害を抑え込む。それがこれまでの防災対策の主眼だった。
しかし、東日本大震災地震津波はこの防災対策までをも
覆した。やはり人間は自然には勝てないのだよね。

「地獄に云ったことないけど、地獄よりひどい」

被災した女性の言葉が重かった。改めて思う。あの日に起こったことは、
過去に起こった自然災害への日本人の意識を大きく変える出来事だった
のでないかと。