ワイルドに行こう

『アフリカ大陸一周ツアー 大型トラックバスで26カ国を行く』
(浅井宏純 幻冬舎新書)読了。

手塚治虫の名作『ジャングル大帝レオ』に憧れて、アフリカ周遊を
実行に移した著者である。

色んな国籍の人たちと一緒に大型バスにゆられてアフリカ大陸を
走破するんだけど…。さて、どこから突っ込もうか。

周遊した順番に国別で書かれているんだが、全体として底が浅すぎ。
元留学コンサルタントなので現地の学校を多く訪れ、そこで授業も
しているんだがアフリカの子供たちが日本語を見たことも聞いたことも
ないことに何で驚くのだろう。

各国の資金援助がほとんど役に立っていないことだって日本でも
書籍が出ているし、中国がアフリカの資源を買い漁っていること
なんて知ってて当然なんじゃないのか。それも日本のODAで・・・
とか噂されているしね。

現地ガイドに昔は白人が奴隷としてアフリカに連れて来られていた
のを聞いて「初耳」とか書いちゃうし。あぁ、恥ずかしい。

恋い焦がれたアフリカなら、もっと事前にアフリカの歴史を覚えて
から行こうよ。勿体ない事、この上ないぞ。

紀行文にしてもかなり中途半端だ。同行した人たちの名前を書き
連ねるのも必要か?

さまざまなオプショナル・ツアーに参加して野生動物を見たり、
名所へ行ったりしているのに読んでいるこちら側に何も伝わって
来ないんだよな。

こういう旅行の仕方は憧れがあるので参考になるかと思ったのだが、
期待外れだった。きっと面白いんだとは思うのだが、書きたいことを
盛り込み過ぎて失敗したって感じだな。

欧州各国の植民地政策を肯定しているあたりも頂けない。その一方で
「アフリカはだらしない」みたいなことも言ってるんだよな。

本当に植民地政策が良かったと思っているのだろうか、この人は。
あぁ、罵詈雑言しか出て来ないよ〜。