気付いた時には手遅れ
石原慎太郎東京都知事執念の東京オリンピック。懲りずに2020年の
開催地に立候補し、この度、めでたく1次選考を通過した。
ライバルはトルコのイスタンブールとスペインのマドリッドだ。東京は
既に1度開催しているし、スペインもバルセロナ大会があった。
最終選考は来年だが、私は今からイスタンブール開催に賭けたい。
ヨーロッパとアジアが交差する場所でオリンピック。いいんじゃないか。
『政府は必ず嘘をつく──アメリカの「失われた10年」が私たちに警告
すること』(堤未果 角川SSC新書)読了。
タイトルそのまんま…で済ませちゃ手抜き過ぎるか。でも、そうなんだ。
9.11後のアメリカと、3.11後の日本を対比させて政府や大手メディア
がいかに国民を扇動し、欺いて来たか…をレポートしている。
気付いた時にはにっちもさっちも行かなくなりますよ〜、というお話。
だが、どうも話が広がり過ぎて整理出来てないうちに書いたのかなぁ。
上杉隆が記者クラブ批判の焼き直しをネタにしているように、この人も
アメリカの愛国者法の焼き直しで食いつなごうとしているのかとの印象
を持ってしまった。
「既存メディアはダメ、フリージャーナリストは素晴らしい」的な論調に
は飽きて来たぞ。何度も言うがフリージャーナリストだってピンキリだ
もの。
政府やメディアは嘘をつく。それは今に始まったことではない。
またまたヴェトナム戦争を持ち出すが、当時、TBSのニュースキャスター
だった田英夫は独自にヴェトナムを取材し「ハノイの微笑」なるレポートを
送ったことでアメリカの不興を買った。ほどなく、彼の姿はテレビから消えた。
著者はそんな例さえも引かず、ただアメリカで取材したことのみですべて
を語ろうとしている。
中東やアフリカで起こっていることを語るのであれば、現地に行ってくれ
ないかなぁ。それに話を聞いた人たちと著者との写真が多く掲載されて
いるが、これって必要?単なるページの穴埋めじゃないのか。
ただ、TPP問題に関しては韓国の例を引いて分かり易く解説してくれ
ているのが有難い。この問題に関しては「農業vs生産業」の構図ばかり
が強調されて、判断材料が少なかったものな。
「みんな政府に騙されている」みたいに書いているけれど、気付いている
人は気付いていると思うのだ。それは3.11以前にもいたと思うのだけど。
本書は読み方を誤ると陰謀論見たいになってしまうかも知れぬ。