街が人を育て、人が街を育てる

前田国交相と田中防衛相に問責決議案が提出された。う〜ん…。
民主党支持者ではないけれど、前田氏はお気の毒な気がする。

直紀さんはなぁ、これはご本人の問題ではなくこの人を防衛相なんて
地位にしちゃった野ダメ首相がいかんだろうに。

いい人なんだろうけど、指揮官の器ではないのは国民だって分かる。
どうなるんだろうね、民主党政権。そろそろ人材も払底しているのでは
ないかい?

ボローニャ紀行』(井上ひさし 文春文庫)読了。

アペニン山脈ポー川に挟まれたイタリアの街。世界最古の大学を
擁し、第二次世界大戦時にはヒトラーナチス・ドイツムッソリーニ
ファシスト党レジスタンス運動を繰り広げた赤レンガの美しい街。

作家・井上ひさしが30年間の憧憬を抱いて訪れた街の在り様を綴った
エッセイである。

都市再生のモデルとして「ボローニャ方式」という言葉がある。その実態
が作家の目を通して分かり易く語られている。

イタリアが統一国家となるまで多くの小国であった名残でもあるのだろう。
街の在り様は日本のような画一的な都市計画ではなく、古いものを現代
に活かす工夫が随所に施されている。

日本であれば歴史ある建築物は修復を施され観光資源にされるか、
取り壊して復元されるかするだろう。しかし、ボローニャでは外観は
そのままに内装を変え、人が住い、学び、集う場所に変えられる。

一時、日本でも道州制が話題になったがボローニャこそ地方自治
格好のモデルなのだろう。ただ、日本で同じことをやって成功するかは
果てしなく疑問だが。

そこに住み、愛する場所だからこそ済みやすくしたい。だから、後継者が
なく引退したひとたちが工場や農園を街に寄付し、それを街が必要と
する人に貸与して新たな何かが始まる。

そうやって、過去が現在に繋がって行くのだね。