憧れの地
インドネシアのスマトラ島でM8.9の地震が発生した。詳細な被害の
模様は伝わって来ていないが、津波の恐れもあるらしい。
日本に到達することはないようだが、他の国でも津波は嫌だね。
昨年の東日本大震災を思い出すもの。
どうか、インドネシアやその周辺で日本のような大きな被害が
出ませんように。
『ナポリの肖像 血と知の南イタリア』(澤井繁男 中公新書)
読了。
「日光を見ずに結構と言うなかれ」が日本なら、イタリアは「ナポリを
見てから死ね」である。南イタリアを代表する風光明媚な都市である
ナポリが、どのように成立したのかをひも解くのが本書である。
古代ギリシアの植民都市として出発したナポリだが、その辿った
道は非常に複雑だ。ヨーロッパの雄となったローマ帝国下に組み
込まれ、帝国滅亡後は蛮族の支配下となる。
ビザンツ系の公国が置かれたり、イスラムが入り込んだり、ノルマン人
がやって来たり、神聖ローマ皇帝の支配下に移ったり。
歴史に名高いシチリアの晩鐘事件後はフランス勢力が一斉され、
興隆著しいスペインの支配下になり、やっとイタリア王国に併合
されるまで長い長い年月が必要だった。
この支配の歴史が今でもナポリの街並みに残されているのが凄い。
さすがイタリア。歴史が今でも生きている。
以前、駆け足でイタリアを回ったことがあった。しかし、ナポリにまで
は足が及ばなかった。それにシチリアにも行きたい。
死ぬまでに行きたいな、ナポリ。だからって、行ったら死んでもいい
訳ではないけれど。笑。
尚、本書は中世までのヨーロッパ史を少々齧っていないと辛いかも
しれない。