始まりの間違い

「そんな風に脅しても、もう援助してあげないんだからね」

こんな言い方ではなかったけれど、アメリカ・オバマ大統領が
韓国・ソウルで開幕した核サミットで北朝鮮の衛星だか、
ミサイルだかの発射について触れていた。

かっこいいぞ〜、オバマ〜。でも、食糧支援しなかったら、飢えるのは
上層部じゃなくて一般庶民なんだよな。だから懲りないんだ、北朝鮮は。

米韓だとか、米露だとか、中韓だとか。今回の北朝鮮の未確認飛行物体
の発射が首脳会談で話し合われているらしい。

あれ?我が国の野ダメ首相も出席しているのではなかったか?なのに、
どうして夕方のニュースでは触れられなかったのだろう。

ま、まさか…。存在感ゼロってこと?涙。

『輝ける嘘 上』(ニール・シーハン 集英社)読了。

冒頭からアーリントン墓地での埋葬場面である。葬られるのはジョン・
ポール・ヴァン。元アメリカ陸軍の中佐である。

ピューリッツア賞を受賞したデイヴィッド・ハルバースタムベトナム
泥沼から』の主人公であり、本書の主役でもある。

文字通りアメリカを泥沼にはまり込ませたベトナム戦争は、そもそも
ゴ・ディン・ジエムなんていう人物を初代大統領として認めたことから
間違いだった。

サイゴン政府とそこへ派遣されたアメリカの軍事顧問の将軍たちは、
戦場の現実を見ようとはしなかった。それどころか、前線から上がって
くる報告書を握り潰した。そして本国に報告する。「ヴェトコンを壊滅
状態に追い込んでいます」。

上層部が自分の報告に耳を傾けないことがはっきりすと、ヴァンは次
なる手を考える。アメリカからヴェトナムへ派遣されて来た報道陣だった。

そして、アメリカ版大本営発表と実際にデルタ地帯で起こっていることの
相違が、メディアによって明らかになる。

ハルバースタム『ベスト&ブライテスト』は、こういった背景があって
書かれたものだったのだなと納得。

本国へ戻ったヴァンには、通常現地帰りの将校が行っていた国防総省
でのブリーフィングも認められなかった。

現実を見ようとしなかったアメリカは、皇帝になろうとしたゴ・ディン・ジエム
の思惑にまんまとはまって泥沼から抜け出せなくなるのだ。