嘘吐きたちの宴の後

昨日は暑いくらいの気温、そして今日も朝から暖か。すっかり春だねぇ、
なんて思っていたのだが今週末はまた寒いらしい。しかも雨だって。

重く厚いコートはそろそろ洗濯して片付けてしまいたいのになぁ。でも、
一歩一歩、春は近付いているんだね。

春の息吹、は〜やく来いっ♪

原発のウソ』(小出裕章 扶桑社新書)読了。

「低線量の被曝はかえって体にいい」とかとんでもない発言をしていた
専門家もいれば、原子力の平和利用を研究する過程で「そんなこと
出来やしない」と気付いて反原発を訴えるようになった専門家もいる。

著者は40年に渡り反原発を訴え続けている人である。同じように
原発でも「放送禁止物体」と呼ばれる広瀬隆とは異なり、感情に
走る部分が少なく、分かり易く原子力の危険性を教えてくれる。

亡くなった高木仁三郎氏がそうだったように、この人も良心の研究者だ。
本書は専門用語も少なく、例えも理解しやすいので中学生からでも
読めるだろう。

放射性物質が人体に及ぼす影響、原発事故直後に嫌と言うほど繰り
返された「ただちに健康に影響はない」の欺瞞、日本の原子力技術の
低さ。政府と電力会社が塗り固めた嘘が、ぼろぼろと剥がれ落ちる。

「子どもたちの被曝を減らすために私が提案したいのは「大人や高齢者
が汚染された食品を積極的に引き受ける」ことです。」

ヒステリックな反原発シュプレヒコールは薄気味悪いが、著者のこの
論には賛成である。そうしなきゃ、農家も漁師も生活が成り立たないのだ。

原発はクリーンでも、安全でもない。鎌田慧原発列島を行く』でも感じた
ことである。それをベトナムに輸出しようとしている日本って国は、何と
恥知らずなんだ。これにこそ、抗議すべきじゃないのか。