ほっとけばいい

「電波、来ないよ〜」

居間から聞こえて来る旦那の声。あんたは川俣軍司かっ、と突っ込もうと
思ったが以前ルパシカを来ていた時に「大久保清かっ」と言っても通じな
かったので止めた。

電波時計を友人からもらったので、その時間合わせを頼んだのだが
うまく電波受信が出来ないようだ。じっと時計とにらめっこをしている。

時計を睨みつけても時間が合う訳でもなかろうに。取り敢えず放って
おけば?と言ったのだが、気になるようだ。

そのうち、諦めてスポーツ・ジムに出掛けた。私はすっかり忘れて居間で
ぐうたら。そうしたら、あらまぁ不思議。時計の時間はいつの間にか合って
いました。

ま、そんなもんなんだよね。正時にはクラシックが流れて来る。がさつな
我が家もこれで少々優雅になるか。爆。

『裁判狂時代 喜劇の法廷★傍聴記』(阿曽山大噴火 河出文庫)読了。

裁判員制度が始まって、日本の司法の在り方も変わって来た。検討課題も
あるようだが、個人的には裁判員にはなりたくない。だって、人が人を裁くの
だもの。それも素人が。

プロである裁判官でも、死刑判決を出すには相当の葛藤があるそうだ。
それなのに一般市民が犯罪者とはいえ、人の生死を判断しなくては
いけないのだ。それ、一生引き摺るだろう。

裁判員はやりたくないけど、裁判の傍聴はしてみたい。そんな時に役に
立つかもしれないのが本書である。

裁判所への入り方、傍聴でのルール、どんな裁判を傍聴すればいいか。
傍聴初心者への手引書になっている。

勿論、傍聴記も書かれている。世間に広く知られた事件の裁判が興味深い
のは勿論だが、日々、起こる小さな犯罪の法廷の方が面白そうだ。

猥褻図画販売の裁判で法廷に響く「オッパイ学園」なんて、どうやって笑い
を堪えればいいんだろうか。私だったら絶対笑うぞ。

主に東京地裁での傍聴記なのだが、数か所、地方の裁判所での傍聴記も
ある。東京地裁と比較すると、そののんびりさに和む。

ただ、ほとんどが話し言葉に近い文体で書かれているので、人によっては
合う・合わないが大きく分かれるではないか。私は読み難さを覚えた。