省みろ

今までの沈黙は何だったのだろう。日本のマスゴミ、否、マスコミである。
東京電力原発立地の自治体に交付金をいくら払っていたとか、研究者
に研究費を提供していたとか。

そんなもん、今頃報道してどうするんだよ。前から分かっていたことじゃないか。
立地自治体には交付金以外にも、いわゆる「箱もの」だってたくさん建てている
じゃないか。

知っていながら黙殺して来たのはマスコミじゃないのか?福島第一原発
事故がなれば、今でも黙殺していただろうに。

大手マスコミにしたら電力各社は巨大なスポンサーだ。しかも、自社の系列
企業に電力会社役員が名を連ねているだろう。そこは反省しないのか?

東日本大震災発生直後から、民放では一般のCMを自粛してACのCMばかり
を流していた。このACだって、どれだけ電力会社の役員が関係していることか。

先の大戦後、大本営発表を垂れ流し敗戦後は一転、批判を始めた頃となんら
変わってないよな。まずは、自らを省みろ。そして「知っていて報道しません
でした」と詫びてみてはどうか。

『三分間の詐欺師 予告篇人生』(佐々木徹雄 現代書館)読了。

近年はめっきり足を運ばなくなったが、封切館・名画座問わずに足繁く映画を
観に行っていた時期があった。

勿論、劇場にかかる映画が観たくて通っていたのだが、劇場に行く楽しみは
もうひとつあった。そう、本篇上演前の次回作の予告篇である。

「おっ、これは観に来なくっちゃ」と思って、帰りがけに前売り券を買い、無限
ループのような状態に陥っていた。そう、まんまと宣伝に乗せられていたのだ。

そんな予告篇製作の先駆者なのが、本書の著者である。映画好きの父の
影響で早くから映画の面白さに魅せられた著者は、当たり前のように映画の
仕事に携わって行く。

予告篇制作のみならず、昭和初期からの外国映画上演史になっているのが
凄い。川喜多長政・かしこ夫妻や淀川長治をはじめ、映画界の重鎮たちとの
交流も見逃せない。

著者が関わった「第三の男」などのコンテなども掲載されている。

映画の予告編だけ集めたDVDとかあればいいのになぁ。どれだけ騙されて
次回上演作を観に行ったことか。笑。

まぁ、民主党のサキギフェストと違ってこういう詐欺師に騙されるのなら
いいのだけれど。

良書なのだが絶版らしい。文庫で復刊しないかしら。映画好きならきっと
買うと思うのだけれど。