足りないものは何?

女性が結婚したくない相手の特徴として、不満ばかりが多い人という
のがあるらしい。でも、これって異性に限ったことではないと思う。

派遣先の同僚スタッフに、不満てんこ盛りの人がいる。隣の席になった
日には目も当てられない。お客様対応の合間に、次から次へと彼女の
不満を聞かされる羽目になる。

なんでそんなに気に食わないことが多いのだろうと思う。彼女自身、
完璧な人間ではないし、完璧な人間なんか世の中にはいないのになぁ。

優しさが足りないのだろうか?温かい気持ちが足りないのだろうか?
常に怒ったような物言いは、人を不愉快にするって分かってますかぁ?

『ノルマンディー上陸作戦1944(下)』(アントニー・ビーヴァー 白水社
読了。

下巻はサン=ロー攻略からパリ解放とその後までを扱う。

前線の状況を認めることが出来ないヒトラーに対して起こされた暗殺未遂事件。
これで疑心暗鬼に陥って、ますます自己の主張に固執して行く独裁者は本当に
憐れだ。

このヒトラーに勝るとも劣らず憐れなのが、モントゴメリーである。アメリカ軍は
もとより、自国の大英帝国からも酷評される始末。まぁ、自己顕示欲に長けて
口先だけの行動力じゃ仕方ないか。

上下巻通じて、戦闘場面の綿密な描写が続くがそれだけではない。前線で
戦い、命を落として行った兵士たちや連合軍を迎え入れたフランスの人々
の人間ドラマをも描いている。

Dディを扱った作品は他にもあるが、本書は新たな定番になるかもしれない。
ただし、上下巻で計6000円はかなり懐には痛いけれど。

余談だが、ヘミングウェイの話が少々出て来る。これを読むと「うわっ、こいつ
嫌な奴」と思ってしまう。書かれた作品と作家の人格は別物なんだなぁと
改めて思った。