洗脳の時代

東京都知事は好きではないが、東日本大震災の被災地からの
がれき受け入れを決行したのには拍手を送りたい。

復興に向けても、まずは大量のがれきを処理しなけりゃならない
のだも。そして、東京都に続けとばかりに、がれき受け入れを表明
した自治体がある。

ところが…。受け入れ表明をした静岡市長に対しては、インターネット上に
脅迫のような書き込みされた。書き込んだ本人は既に特定されており、
事実を認めている。

「一般の感情として書き込んだ」と言っているらしいが、人の命を脅かす
ようなことを書き込むことが一般の感情ってなんだ?

そしてもうひとつ。神奈川県知事による住民説明会である。説明会なのに、
会場に集まった住民からは「帰れコール」である。説明会ってのは、まずは
話を聞くってことなんじゃないのか?

「いろんなところに死・の町を作るつもりか」と激高した住民の方が言って
いた。ほぅ、被災地はすべて死・の町だと思っているのか。そんな風に
聴こえたけど。

この説明会には被災自治体である宮古市の職員の方も同席していたと
いう。こんな発言を聞かされた心のうち、いかばかりか。

プロ市民の扇動が蔓延しているのか。放射脳に汚染されて冷静に物事を
判断出来ない人が増えているようだ。

『ノルマンディー上陸作戦1944(上)』(アントニー・ビーヴァー 白水社
読了。

上巻はノルマンディー上陸前夜から、カーン攻略までを描く。

冒頭の、集結地であるイギリスに集まった連合軍首脳のやり取りが
面白過ぎる。

特にチャーチルド・ゴール。このふたりのやり取りはまるでコントの
ようだ。お互いがお互いを軽蔑し合っているのが手に取るように分かるぞ。

さて、史上最大の作戦である。これは映画や本でも描かれているので、
その凄惨さは改めて語るまでもない。連合軍にしろ、ドイツ軍にしろ、
捕虜に関してはジュネーブ条約違反のオンパレード。でも、著者が
イギリス人だからか、連合軍に甘い気がするのは気のせいか?

アイゼンハワー、モントゴメリー、ロンメル、テッダー、ブラッドリー等々、
第二次世界大戦の顔役揃い踏みである。

各作戦の経過が綿密に描かれており、内容も濃い。連合軍側、ドイツ軍側の
首脳陣の動きも取り上げられている。

前線の分析も充分にせずに口ばかり挟んで、かのロンメルさえ更迭
しようとしたヒトラーの現状認識の甘さは憐れだなぁ。これが独裁国の
末路か。