涙と怒りと
母85歳、長女62歳。長女は幼少の頃に患った脳性まひの後遺症で
ほぼ寝たきりの生活、母も高齢の為に外出時には車椅子を使用して
いた。
「介護に疲れた」
二人暮らしで生きて来た親子だったに、母は娘の首を絞めて死に至らしめた。
やり切れぬ事件である。
人が人の命を奪ってはならぬ。しかし、この母の心境も分かる。だから辛い。
障害を持った子供の将来を悲観して、親が自らの手に掛ける事件はこれまで
にも多くあった。
なくならないよね、こういう出来事は。老いれば、自分の死、子供の行く末、
親は不安で仕方ないのだろう。それを受け入れる器を、社会が作らなければ
いけないんだけど、実際には軽度の障害を持った人でも就労が難しい現実
があるんだよな。
今日の帰宅時、白杖をついて歩いている方がいた。その人を追い越すように
歩いて行った会社員風の男性のバッグが白杖に当たり、跳ね飛ばした。
謝るどころか罵声を浴びせて男性は急ぎ足で去って行った。とっさに白杖を
拾い、その人に渡したのだがえらくすまなそうにしていた。
なんか…涙が出そうになったよ。情けなくてさ。でも、すぐに怒りが湧いて
来たんだけど。
『ジョーク「ロシア革命史」』(歴史探険隊 文春文庫)を読み始める。
ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ二世の時代からゴルバチョフの登場まで。
旧ソ連の近代史を代表的なエピソードとアネクドート(風刺小話)で追う。
本書にも収録されている有名なアネクドートをひとつ。
「ソ連の二大新聞、プラウダとイズベスチャの違いは何か?プラウダ(真実)に
報道はなく、イズベスチャ(報道)に真実はない。
ぷぷぷ…。