欺く
晴れているけれど風が強いなぁ、と思いながら布団を干して、洗濯と
掃除に励む。旦那をスポーツジムへ送り出して、さて、ひと息。
コーヒーと灰皿を抱え、新聞を広げながらテレビを点けた。画面に
映し出されたのはNHKの「日曜討論」である。新年にあたって、各党の
党首に話を聞く…という内容だった。
新聞に目を通しながら音声を聞き流していたのだが、出たっ!「新党
きづな」。民主党を離党したセンセイたちが結成した政党である。政治家
自ら震災便乗商法ですか。
そして代表(名前失念)が言っていたのが「国民を欺かない政治」。
えーっと、先に離党したメンバーのほとんどが比例代表で当選では
ありませんでしたか?
「国民を欺かない」ねぇ。まずは議員辞職してみようか。
『失踪入門 人生はやりなおせる!』(吾妻ひでお/インタビュー:中塚圭骸
徳間文庫)読了。
吾妻ひでお自身が描いた『失踪日記』と『うつうつひでお日記』は興味深かった。
しかし、自身の失踪の顛末やアルコール依存症の治療、躁鬱病と向き合った
日常はかなり昇華されて描かれているのだろうと思った。
なので、本書ではその裏のどうしようもなく暗い部分が読めるのではないかと
期待したのだが…。
詐欺もいいところだ。初出はコミック雑誌の連載なのだが、雑誌の埋め草なら
それでもいいだろう(3年も続いたのは驚きだが)。だが、1冊の書籍として世に
出すべきものではない。
インタビュアーの中塚圭骸をよく知らぬのだが、本書のほとんどがこの人の
心の病自慢と、実の姉である精神科医・香山リカの話、そして80年代から
引き摺っているテクノ・ポップの話題。中途半端に吾妻氏の心理分析とか
しちゃってるし…。お前の話が読みたいんじゃないんだよ〜〜〜。
吾妻ひでおと言えばロリコンもそうだけど、切り離せないのがSFなんだが、
吾妻氏と進行役の編集者がSFの話を始めると理解出来ないものだから
止めに入る始末。なんだ?こいつ・・・。インタビュアー大失格じゃん。
この進行役の編集者も酷いね。自分の発言に自己陶酔しちゃって、話を
かきまぜるだけ。版元である徳間書店のセンスを疑うわ。
姉である香山リカのネームバリューと吾妻ひでおをダシにして、中塚を
売り出しかかっただけか?最終回の特別ゲスト、漫画家の高野文子の
方がよっぽど吾妻氏から話を引き出しているよ。とほほ。