アフリカの衝撃

姑息。この言葉しか思いつかない。沖縄米軍の普天間移設に関する
環境評価書お届け問題である。

「騒ぎになるから郵送にしちゃおう」なんて、一体、誰の発想なんだ。
配送業者に依頼しても、結局は騒ぎになったじゃないか。

市民に取り囲まれた民間の配送業者は、お気の毒としか言いようがない。
配送業者は政府に慰謝料を請求してもいいと思うぞ。

この行動に対して連立を組む国民新党の下地センセイからも批判され
ちゃったしな。当たり前だよな。

結局は今朝4時と言うとんでもない時間に県庁の警備員室へ持ち込みだと。
はぁ…子供の使いですか、まったく。

官房長官が「沖縄とこじれている」とか漏らしたようだが、そりゃこじれるだろう。
そもそもこじれさせている原因が何なのか、分かってないのかも知れんぞ。
恐るべし、民主党。ブルブル…。

アベベ・ビキラ 「裸足の哲人」の栄光と悲劇の生涯』(ティム・ジューダ
 草思社)読了。

陸上の長距離走と言えばアフリカ勢が上位を占めるのは今では当たり前。
しかし、その第一人者はローマ・オリンピックですい星のごとく現れた
エチオピアの選手だった。

ローマに続き東京オリンピックでもマラソンで史上初の2連覇を成し遂げた
アベベは、日本でも覚えている人が多いだろう。私は2大会とも生まれる前
だったので、古いフィルムでしか見たことはないのだが。

アフリカに初めての金メダルをもたらした男の人生は、栄光ばかりでは
なかった。東京大会後の生活の乱れ、脚の故障、3連覇を目指したものの
途中棄権せざるを得なかったメキシコ大会での失速。

そして、交通事故による半身不随という最大の悲劇がアベベを襲う。

ローマ大会まで国際大会への出場もなく、無名であったアベベ。彼の才能を
見出し、育てたスウェーデン人コーチ・ニスカネンの軌跡を交差させながら
描いた本書は一時代を築いたスポーツ選手の評伝として秀逸だ。

東京オリンピックで思い出すのは、やはり悲劇のランナーであった円谷
幸吉だ。「もう走れない」。円谷は壮絶な自死を遂げたが、41歳で脳溢血
で世を去ったアベベも、また緩慢な自死ではなかったか。

アフリカの衝撃。それはいつまでも語り伝えられていいと思う。