口コミ

映画監督の森田芳光が亡くなった。松田優作主演の「家族ゲーム」は、
何度も劇場へ観に行ったっけ。急性肝不全、61歳は若いよな。ご冥福を
祈る。合掌。

閑話休題

「職人魂」とか「親方」とか、背中に文字の入ったTシャツを来ていることが
多い。「模範囚」とか「凶悪犯」なんてのもある。

どういう訳か、友人たちは妙なTシャツやトレーナーを見つけると送って来て
くれる。洋服代が安く上がって嬉しい限りだ。笑。

今日、仕事に来て行ったのは「男の顔は履歴書 女の顔は請求書」と
プリントされたトレーナーである。

前半は評論家・大宅壮一の言葉、後半は彼の弟子である草柳大蔵
言葉だ。なんだけど…これって、もう知っている人は少ないの?

いや、私より年代が上の人でも知らないのだろうか。私の背中を見た人の
ほとんどが「おもしろ〜い」って反応しかしなかったのだが。

大宅壮一と言えばテレビの黎明期に「一億総白・痴化」とか、接待ゴルフ
「緑の待合」とかの語録を残した人なんだが…。

そういえば「口コミ」っていうのも、元々は大宅壮一が言い始めたんだっけ。
「口頭でのコミュニケーション」が初めだよな。

口コミサイトの運営者は、大宅壮一に敬意を払うように。笑。

『ジャーナリストはなぜ疑り深いか』(ロジャー・サイモン 中公文庫)を
読み始める。

「シカゴ・サン・タイムズ」等で活躍したコラムニストの作品集である。

アメリカで、赴任した南アフリカや中東で、有名無名を問わずに接した
人々のことを綴る。

祖父の死・に際して書いた「祖父の思い出」と題されたコラムがいい。

著者が10歳の時、家族は祖父の元を離れしばらく別の土地へと引っ越す
ことになった。2度と会えない。そう思い込んだ祖父は、台所のテーブルで
むせび泣く。

「祖父の上着の裾を引っ張って、なぜ泣いているのかと尋ねると、「おじい
ちゃんは、おまえがいないとさみしいんだよ」と、私を腕の中に抱しめた。
「おまえがいないと、さみしくなるよ」
今、寂しのは私だ。」

ぐすん…。