大本営発表

いや〜、大本営発表なんて先の大戦関係の書籍の中だけで出会う
ものだと思っていた。それが、生きているうちに自分の目と耳で確認
出来るとは。

昨夜、どじょう首相は福島第一原発冷温停止を宣言した。これにて
原発事故は収束した…と同じ意味である。

冷却水の温度が安定して来たからだというが、ちょっと待てよ。そもそも
格納容器のなかの燃料棒がどうなっているのか、確認出来ていない
んだろう。それでどうして「収束宣言」なんて出せるの?

年内冷温停止という行程表を、どうしても達成したかったからとしか
思えないんだが。

昨夜の会見をどれだけの人が信じているんだろう。日本の大手新聞の
全てに目を通している訳ではないので何とも言えんが、政府発表のまま、
「安全になりました」と報道した新聞社があったとしたら、「ちょっと、お前ら、
燃料棒確認して来い」って言いたい。

海外メディアでは批判続出である。ドイツのメディアは「信じられな〜い」と
言い、ニューヨーク・タイムズは「原発から国民の視線を逸らす為」と言い、
中国のメディアにまで「ペテンだ」と言われている。

メルトダウンしているのは確実だろう。そして、メルトスルーか、メルトアウト
が起こっているのではないのか。

燃料棒が溶けたら2000度以上の高温になる。特殊コンクリートでも耐性は
確か1500度くらいではなかったか。

映画「チャイナ・インドローム」みたいだよな〜、なんて考えていたのだが
なんでこう楽観視出来るんだろうか、日本政府も東京電力も。

福島原発事故は、未だ終わっていない。廃炉までに30年以上。そして、
今回の事故を記憶している世代が死・に絶えて後も核燃料は存在する。

引き続き『子規、最後の八年』(関川夏央 講談社)を読む。

今じゃ作家が他の職業を持っていると「二足のわらじ」なんて話題になる
けど、近代日本文学の黎明期は「二足のわらじ」が普通だったんだよな。