紀行と奇行は紙一重

帰宅してテレビを点ける。耳でニュースを聞き流しながら、夕食の準備で
ある。一区切りついたところで、テレビの前で小休止。

耳はテレビの音声に傾けながら、郵便物の整理をしていたら視界の隅が
映像を捉えた。

きゃ〜〜〜〜。あの美しい黒と白のツートンカラーは、私がこよなく愛する
シャチではないかっ!思わずテレビ画面に張り付き、食い入り様に観る。

それはシャチ家族の引っ越しの模様を伝えていた。千葉の鴨川から名古屋
へ。大型コンテナから船に積み替えられて、シャチの一家は旅立って行った。

あぁ、久し振りに動いているシャチが見たいな。でも、日本でシャチがいる
水族館は限られているし、バンクーバー湾にウォッチングに行くには季節
はずれだし…。

琵琶湖くらいの大きなプールがあったら飼えるかなぁ。でも、やっぱり野生
にいた方がシャチも幸せだろうなぁ。

秘境駅へ行こう!』(牛山隆信 小学館文庫)読了。

著者が開設しているホームページの書籍化。文庫書き下ろしらしい。

日本全国、津々浦々、「なんで、こんな場所に駅があるんだ?」という辺鄙な
場所に存在する駅の探訪紀である。

車道も歩道も通じていない駅とか、1日の利用者が老夫婦ふたりだけの駅
だとか、トンネルとトンネルに挟まれた上に断崖絶壁に張り付くように存在
する駅だとか。

視点は面白いんだが、この文章、なんとかならんか?ネット式文章って
いうのかな。ノリツッコミみたいなおまけはいらんぞ。

真冬の北海道の秘境駅を訪れるのに遭難しそうになったりして、秘境駅
探訪の苦労も記してあるのに残念だなぁ。

それと、写真も豊富に掲載されているんだがいかんせん文庫である。
モノクロなのはいささかもったいない。

文庫じゃなくてカラー写真でムックで出せばよかったのに。勿論、文章も
もう少し整理して…だが。

企画段階でどうにかなったと思うだけに、編集者の腕が悪かったか。