今年のナンバーワン
「そんなことは、まかりならん」
福島第一原発の汚染水を海洋投棄しようという東京電力の案について、
鹿野農水相の発言である。
あぁ…民主党の閣僚のなかにも、まともな考えの人もいたんだなぁ。
『僕の妻はエイリアン ─「高機能自閉症」との不思議な結婚生活』
(泉流星 新潮文庫)読了。
副題そのまま、高機能自閉症と診断された妻との結婚生活を綴った
ものなのだが…。
読み始めから非常な違和感、そして読み進むごとに文章が気に障って
来る。なんだ?この書き方?なんか…随分と高いところからものを言って
やしないか。
途中で放り出したくなりながらも、「著者あとがき」を読んで合点がいった。
それにしても、これをノンフィクションと分類してはいけないだろう。高機能
自閉症についての記述はともかく、限りなくフィクションじゃねぇか。
今年読了した本の中でナンバー・ワンのペテン本に決定したい。
ここに描かれている「妻」の高機能自閉症の症状(?)についても、単なる
一例に過ぎない。同じ診断を受けた人たちが、皆同じとは限らないだろう。
そして、「夫」を地球人、「妻」を異星人と区別して悦に入っているようだが、
この表現って差別や無理解、偏見を助長しやしないか。
脳の機能が異なるからといって「エイリアン」て呼ぶのはどうなのよ?著者
本人たちはそれを売りにしてるんだろうけどさ。「異なる者」と捉えるより、
「個性」と捉えたいね、私は。
読み終わってからインターネットで書評を漁ってみたのだが、この手の本は
批判するのが難しいのかねぇ。概ね好評だった。私には後味が悪かったな。