前へ!

昨夜は実家で夕食会だった。帰宅してパソコンを立ち上げながらテレビを
見ていたら、日記を書くどころではなくなっていた。

テレビ画面が映し出していたのはNHKスペシャルである。このところ先の
震災関連のテーマが多かったので、「あぁ、今日もか」と思っていたが
いつの間にか画面に引き込まれていた。

南三陸町馬場中山地区。震災と津波に襲われ、周囲から孤立した集落では
救援物資も届かない。住民が自主避難所に集まり、倒壊した家の残骸の中
から食べ物を拾い集めて食いつなぐ。

「このままでは集落はばらばらになってしまう」。自治会長をはじめ、住民たち
は行政を当てにせずボランティアの力を借りながら、自分たちで集落の復興に
取り組み始める。

この集落に関しては何度か他のテレビ番組で見ていた。3月から10月までの
集落の移り変わりを通して見て、「ここまで出来るんだ」と感じた。

バ菅が「お盆前までにはすべての仮設住宅を建設する」と大見栄を切ったのに
結局は完成しなかった。国の復興計画より、よほど進んでいるんじゃないか。

いい番組だった。再放送しないかな。

『僕らが死体を拾うわけ 僕と僕らの博物誌』(盛口満 ちくま文庫)読了。

あっちからも、こっちからも、死体が届く。机の上には生徒のメモ付きで
死体が届けられる。勿論、人間の…ではない。動物の…である。

著者は埼玉県飯能市にある自由の森学園の教員だった。その教員時代に
書かれた博物学エッセイである。

死んだタヌキの解剖をしてみたり、ぐつぐつと煮て骨を取り出してみたり、
飛べない昆虫を発見してみたり。興味を持って見まわしてみると、私たちの
生活圏には動植物の隠された生活がいっぱいある。

いいなぁ、こんな先生だったら中学・高校時代の生物の授業も楽しかった
だろうなぁ。

尚、著者の教え子にはドイツにあるという専門の学校を探し出し、そこへ
留学して標本士になった生徒もいる。興味の持たせ方ひとつで、枝は
いろんな方向へ伸びるんだよね。

スケッチも豊富で◎な良書。