見えなくなる

♪ふ〜じは 日本一のや〜まぁ〜♪

日本を代表する霊山、富士山はやはり日本人にとっては特別な山だ。
新幹線の車窓から富士山の姿が見えると、時に気にしている訳でも
ないのに見ていたもなぁ。

東京都心で唯一、この富士山の雄姿が拝める場所がある。西日暮里に
ある、その名も「富士見坂」だ。

周辺に建つ高層建築物でいささか遮られてはいるが、今でも富士山の
雄姿を見ることが可能だ。

しかし、「富士見坂」の名が有名無実になりそうだという。新宿区に計画
されている高層ビルが完成すると富士山の姿をほとんど隠してしまう
らしい。

育ったのは埼玉県草加市。小学生の頃、よく晴れた空気の澄んだ日には
小学校の校舎から富士山が望めたことを思い出した。きっと今では見る
ことが出来ないのだろうけれど。

都市開発か、景観の保護か。これも難しいよね。でも、もうあの坂を上がって
も富士山が見えなくなると思うと寂しい気がする。

そういえば、港区には江戸湾が望めることから名付けられた「潮見坂」って
ものあったなぁ。

『死にたもう母』(出久根達郎 角川文庫)を読み始める。

実母と義母、晩年のふたりの母と同居した日々の日常を綴るエッセイである。