怯える大国

最近になって、アルカイダ系組織幹部の殺害が続いている。勿論、アメリ
政府による計画だ。

テロ組織を徹底的に叩いて、壊滅を狙う。それは、オバマ大統領の人気取り
計画の一環なのか。

9.11同時多発テロで崩壊したツインタワー近くでのモスク建設反対運動、
コーラン焚書にすると公言した牧師。アメリカは「イスラム」「アラブ」に
過剰反応してやしないか。

復讐が生み出すのは平和ではない。新たなる復讐である。どうして報復
行動ばかりを続けるのか。

今回の幹部殺害でも、新しい報復の芽が出て来るだけだろう。その度に、
報復に怯えて過ごすのか。

ヨーロッパの国でもイスラム女性の衣装の着用を禁止した国もある。
それは文化の否定に他ならないだろう。

自分たちと異なる者を拒絶する。世界はどんどん偏狭になっていくようだ。

『官僚の責任』(古賀茂明 PHP新書)読了。

遂に経産省を退職した著者の、現役官僚時代の最後の著作となった。
前著『日本中枢の崩壊』と重複する部分があるのは、ご愛嬌か。

キャリア官僚と言われる人たちの実態を知れば知るほど、まともに税金を
払っていることに泣きたくなる。

国民は地に足をつけているのに、その足を引っ張っているのは知恵も知識も
ない政治家と、既得権益を守ることだけに汲々としている官僚なんだな。

民主党の「政治主導」がどこで足を踏み外したかも参考になる。◎な良書。