不寛容の犠牲

同性の私が言うのもなんだが・・・女の集団は怖いなぁ。今まで一緒にいた
人が、ほんの少し席を外した隙に「○○さんは△△なんだよ」って噂話が
始まる。

表面上、どんなに仲が良さそうに見えても、いないところで何を言われて
るんだか、分かったもんじゃないね。くわばら、くわばら。プルプル。

ローマ人の物語28 すべての道はローマに通ず[下]』(塩野七生 新潮文庫
読了。

上巻は主にローマ街道を扱っていたが、下巻では水道とソフト面でのインフラ
とも言える医療と教育を扱っている。

衛生面を考慮して施設されたローマの上下水道は、ローマ人の医療の考え方
をも表しているってのは面白いな。治療よりも、防御だもんな。これはローマ軍の
戦闘にも共通しているのか。攻め込むのではなく、防衛第一だものな。

街道といい、水道といい、古代に既にインフラを重んじたローマ人。そして、それを
着実に建設し、メンテナンスしながら使い続けたローマ人。

ローマ帝国が崩壊することなく生き延びていたら、人類はもっと早く宇宙に行って
いたかも・・・なんて考えてしまった。笑。

「現代でも、先進国ならば道路も鉄道も完備しているので、われわれはインフラ
の重要さを忘れて暮らしていける。だが、他の国々ではそこまでは期待できない
ので、かえってインフラの重要さを思い知らされる。水も、世界中ではいまだ
多くの人々が、充分に与えられていないのが現状だ。
経済的に余裕がないからか。
インフラ整備を不可欠と思う、考え方が欠けているからだろうか。
それとも、それを実行するための、強い政治意思が欠けているからか。
それともそれとも、「平和(パスク)」の存続が保証されないからであろうか。」

難しい問題提起だな。蛇口をひねれば水が出て来るのは当たり前ってのが、
全世界共通ではないんだものなぁ。

街道、水道、橋以外にもローマ帝国には為政者たちが建造した公共建築物が
多くあったが、哀しいかな後のキリスト教容認と共にキリスト教徒によって、
異教徒を祀るものとして破壊されたものがほとんどだ。

だから嫌いなんだ、一神教の不寛容が。ブツブツ…。

さて、インフラ整備に尽力したローマ人はその仕事も早かった。でも、今の
イタリア人は本当にローマ帝国の子孫なのか?著者も言っている。病院を
ひとつ作るにも、30年かかるって。爆。