バブルの子

歴代首相夫人で一番恥ずかしいのはぽっぽさんのところの幸夫人だと
思っていた。だが、この幸夫人といい勝負の恥ずかしさを晒している人
がいた。

すっから菅首相の伸子夫人だ。有権者に選ばれた訳でもないのに、
端々で政治的発言を繰り返し、退陣が決まってからは「政治家は
日雇い労働者のようなもの」と来たもんだ。

日々の生活が本当に命懸けの、日雇労働者の方々に謝ってくれないか。
少なくとも彼らは税金の無駄遣いをしているんじゃないんだから。

ローマ人の物語18 悪名高き皇帝たち[二]』(塩野七生 新潮文庫)読了。

地中海の小島カプリに隠遁したティベリウスは、そこから元老院に手紙を
送り議決を求めることで首都ローマにいずとも帝国をコントロールした。

しかし、元老院や市民には首都不在を長く続ける皇帝への不満が溜まる。
「皇帝は我々を見捨てのか」と。後世の歴史家からは冷酷な皇帝として
描かれることの多かったティベリウスだが、著者は疑問を投げかける。

アウグストゥスが作り上げたものを維持し、継続した彼こそ善政を行った
のではないか…と。

自分への批判を隠そうともせず「打倒!ティベリウス」を公言して憚らない
アグリッピーナやその取り巻きを国家反逆罪で追放した皇帝は、77歳で
没する。後継者に養子あったゲルマニクスの三男を指名して。

このティベリウスを描く著者である。タキトゥスの『年代記』を引きながら、
その記述に同意したり批判したりをしているのだが、これが滅法面白い。
まるで、時空を超えてタキトゥスと討論をしているようだ。

帝国を遠隔操作したティベリウス、私は彼の公人ではなく個人の面に注目
したい。政略結婚が主流だった時代であるから仕方ないのかも知れぬが、
アウグストゥスと先妻の間に出来た娘ユリアと結婚する為に、先妻と離婚
している。

この離婚が、彼の心に深い傷を負わせたのではないだろうか。その証拠に
ユリアとは早々に別居し、別れた妻の後ろ姿を偶然見かけた時から、彼女と
顔を合わせるような場所へは出掛けようとはしなかったのだから。

さて、3代目の皇帝となったのは歴史的にも悪評芬々のカリグラである。
ティベリウスの堅実な帝国運営で黒字だった財政も、人気取りの催し物
の数々の開催で3年も経たずに赤字に転落させる。

25歳にも満たずに皇帝になった若者は、政治のなんたるかを分かってい
なかった。

「若、ご乱心か」と言う訳で、カリグラを幼少から知っている武人カシウス・
ケレアを中心とした近衛軍団に暗殺され、4年という短い治世を終える。

このケレアがまたいい男なんだなぁ〜。惚れ〜〜。笑。