魂こがして

法案を人質にしていたすっから菅首相が、やっと辞める気になってくれた。
でも、さんざん駄々をこねて後は丸投げって感じだね。

選挙の時には「民主党の魂」とまで言っていたマニフェストも、結局は見直し
ということになったようだ。魂ねぇ…。相当に軽いんだろうな。

さて、高校無償化とか、高速道路無料化とか、子供手当てだとかが話題に
なって来たが、もうひとつ、問題にしてもらいたいことがある。

「最低時給1000円以上」ってのもあったはず。このマニフェスト、さっぱり
問題にされないがどうなったんだろう。所詮、無理な話だと思うんだけどね。

ローマ人の物語15 パスク・ロマーナ[中]』(塩野七生 新潮文庫)読了。

「ちなみに、現代イタリアのこの種の税の税率は一九パーセントで、イタリア人は、
サッカー試合に傾けるのと同じくらいの情熱を脱税に傾けている。」

本筋の余談だが、笑った。イタリア人、何にでも情熱的なのか。爆。

帝政アレルギーの元老院派を欺くように、慎重に、巧妙に、着実に、帝政への
移行をおこなったアウグストゥスである。

まるで買う気もなかったのに、契約書にサインをして印鑑を押してしまった
マルチ商法に引っかかった人のように、「あれ?いつの間に??」という
感じでローマは帝政へとその政体を変えていた。

アウグストゥスの強烈な責任感と意志の力がさせたものだが、その傍らには
彼に欠けていた才能を補うふたりの人物がいた。

ひとりはアウグストゥス同様、少年時代にその才能がカエサルの目に留まり
アウグストゥスに引き合わされたアグリッパ。

戦場で陣頭指揮に立てば連戦連敗のアウグストゥスに替わって、ローマ軍団の
指揮を取る武人としてアウグストゥスの右腕となる。

そしてもうひとりは、完全なる陰の存在となったマエケナスだ。カエサルのように
演説や文章での説得力を持たなかったアウグストゥスは、彼に外交交渉等の
根回しで頼りにした。

う〜ん、この3人の関係は元腐女子としては見逃せない。腐女子魂に火が点き
そうだ。爆。

それはともかく。生来病弱だったアウグストゥスより先に、このふたりが逝って
しまったことにより、初代皇帝は後継者問題で大きな壁にぶち当たることになる。