お気の毒な人々
「ブログ、やりた〜い」と散々騒いで、始めたと同時に携帯電話の画面で
見せられる。見せるということは読んで欲しいということか。
なので、読者登録をしたのだが、まめに更新していたのは始めた当初だけ。
今じゃほとんど放っておいているらしい。
続けないのなら騒ぐなよ。それなのに、今度はFeceBookがどうたら…と
言い始めた。今度は始めても付き合わないからねっ!フフ〜ンだ。
『ローマ人の物語13 ユリウス・カエサル ルビコン以降[下]』(塩野七生
新潮文庫)読了。
カエサルの死後、公開された遺言状が新たな波紋を呼ぶ。彼が後継者と
して指名したのは、無名の18歳の少年だった。のちに「アウグストゥス」の
尊称を賜るオクタヴィアヌスだ。
さぁ、面白くないのはカエサルの副将であり彼の死後に元老院を招集した
アントニウス。しかしカエサルは自身の副将が戦場では能力を発揮出来
ても、平時に国をまとめる能力を欠いていることを見抜いていた。
そして、不満を抱く者がもうひとり。エジプトはプトレマイオス王朝の女王
クレオパトラだ。遺言状にはカエサルとの間の子とされるカエサリオンには
ひと言も触れられてはいなかった。
そこで「打倒!オクタヴィアヌス!!」で手を結んだ二人だが、結果は歴史に
ある通り。18歳の少年は14年の歳月を経て、ローマの最高権力者の座に
登りつめる。
カエサルとの関係はあっさりと流されたクレオパトラだが、著者の筆にかかる
と絶世の美女も「浅はかな女」になり下がっちゃうのだ。
そのクレオパトラを超える「お気の毒」はキケロ。当代一の教養人であり、
執政官経験者、元老院議員で弁護士で文筆家。キケロが手紙魔であった
からこそ、この時代の政治の動きが分かるのに、カエサルの後継者の
18歳にいいように使われてるし…。
「人間ならば誰にでも、現実のすべてが見えるわけではない。多くの人は、
見たいと欲する現実しか見ていない」
カエサルの言葉だが、多くの経験を積んだ年長者たちより、世の動きを
見極めていたのは18歳の少年だった。
これにて、本作品の「カエサル伝記」は終了。ローマはいよいよ帝政に
移行する。
それにしてもオクタヴィアヌス。病弱で、でも、透徹した視野を持った
美少年。萌え〜。爆。