盗んで欲しい
「一晩寝かせて」。料理ではよくあるが、事故車両を一旦埋めて掘り起こす。
なんだろう、中国鉄道省。
しかも、車両を埋めたのを当初、鉄道省は知らなかったとか。現場判断なの
だろうか。そんな大事なことを任せるかぁ?トップ判断だろう、どう考えても。
国外はもとより、国内でも批判が多かったから…とニュースで言っていたが、
掘り出した車両で厳密な事故懸賞など本気でする気はないだろう。
「これで日本の技術を盗んだのではないことが判明した」
中国国内のインターネットには、そんな自嘲気味の書き込みもあったそうだ。
技術よりも安全性を盗んで欲しかったけどね。
『ローマ人の物語7 勝者の混迷[下]』(塩野七生 新潮文庫)読了。
副題通り、本当に混迷しっぱなしである。昔の東映風に言ったら「仁義なき
戦い ローマ頂上決戦」と言ったところか。
スペインやオリエントの地への軍事遠征が相次ぐなかで、互いの不足部分を
補っていたマリウスとスッラの間で血で血を洗う抗争が繰り広げられる。
お互いが粛清を繰り返す様は、スターリンが同時にふたり出現したようだ。
最後は軍事クーデーターにり、スッラが無任期独裁官に就任することで
結末を迎える。
だが、その代償は国を司る元老院議員の3分の1を失うと言う大損失を
もたらした。
そのスッラだが、これまで「怖い」イメージしか抱かなかったのだが、著者は
スッラの人を食った面にも焦点を当てている。
「味方にとっては、スッラ以上に良きことをした者はなく、敵にとっては、スッラ
以上に悪しきことをした者はなし」
生前にスッラが考えていた碑文が、彼の墓には刻まれている。
本書ではマリウスとスッラの時代、それに次ぐポンペイウスの時代を描いて、
次のユリウス・カエサルの登場を待つ。
スキピオの話の時、大カトーにはほんの少ししか触れなかった著者だが、
この巻でもキケロの扱いがかなり小さい。記述で好き・嫌いが分かるぞ。笑。