ファッショの季節がやって来る
郵便ポストに東京電力からの「節電へのご協力のお願い」なるチラシが
入っていた。ふむ…このチラシを作って配布するのに、どれくらいの経費
が掛ったのだろなんて考えてしまった。
「お願い」と言いながら、このチラシには「ご家庭でお願いしたい取り組み」
なる一覧表が掲載されている。ご丁寧にチェック欄まで設けてある。
おまけに毎月の電気使用量の通知に昨年の同月の使用量まで記載される
らしい。どれくらい節約できたか、実感しなさいってことか。
これは「お願い」ではなくほぼ強制だよな。我が家は平日の昼間、旦那も
私もほとんど在宅していない。電気使用量が増えるのは早朝と夜間だが、
それまで一律前年比対を出されてもなぁ。
今回の原発問題がなくても節電は大切だが、世の上げて「電気の使用は
悪」みたいな雰囲気になってやしないか?
「節電は分かっているけど、寝る時はエアコンつけっぱなしなの」と、内緒話
のように打ち明けた友人がいた。いいんだよ、夜間は使っても。
どうも気に入らぬ。派遣先の施設に対しても節電に関してのご意見を頂く。
だが、みんながみんな、節電監視員になっちゃうのかなぁ。
「足らぬ足らぬは工夫が足らぬ」。戦時中の、そんな標語が頭に浮かんだ。
『たいした問題じゃないが ─イギリス・コラム傑作選─』(行方昭夫・編訳
岩波文庫)読了。
20世紀初頭に活躍したイギリスのエッセイスト4人の作品の選集である。
タイトル通り、書かれているのは「たいした問題」ではない。日常の些細な
ことをテーマに書かれたエッセイは、どれもイギリス流のユーモアが溢れ
ている。
軽妙な文章は、これぞエッセイという感じ。好きなところだけ選んで読めるし、
再読にも耐える作品である。