突っ込みたいっ!

しばらく前から旦那や友人相手に「こうなったら亀井内閣なんてどう?」
とぶち上げていたのだが、誰からも賛同が得られなかった。てか、「また
馬鹿なこと言ってる」という目で相手にされなかった。

しかし、同じような考えを持っている存在があった。その名も「週刊ポスト」。
記事タイトルは「やっぱりこれしかない「1年限定亀井救国内閣 遠慮なし、
しがらみなし、恐いものなし」だ。

あの東映やくざ映画の名作「仁義なき戦い」の名セリフ集も載っていることだし、
今週号は買ってみようかな。

『空白の5マイル チベット、世界最大のツアンポー渓谷に挑む』(角幡唯介
 集英社)読了。

突っ込みどころが満載なのだが、はて、どこから突っ込んでいいのやら。
著者の2回に渡るツアンポー渓谷探険が本書の主体になっているはず
なのだが、その途中で過去のツアンポー渓谷探険の話が挟まっている
のは、時系列をいじくり過ぎてる観がある。

1回目の探険は2002年。出発前に日本で訓練を積んでいるのだがチベット
はそれだけで秘境。そのまた秘境に行くのに、自然条件の違いとか無視して
ないか?登山もカヌーも登攀もしない私でも、「これは甘いだろう」と感じて
しまった。

そして2回目は2009年なのだが、例の北京五輪前のチベット騒乱から外国人の
チベット入城は北京当局によって以前とは比べ物にならないほど、厳しくなって
いる。元新聞記者であるのに、その辺りの認識が甘いってどうよ?

許可も取らずに現地に潜り込み、現地の人にポーターを頼もうとしても「許可証が
なければ行けない」と断られ、結局は単独行になってほとんど遭難しかけている。

著者の2回の探険より、ツアンポー渓谷が伝説となったいきさつや、アメリカ探検隊
と中国探険隊の探険競争、過去に行方不明になったカヌーイストの話の方が興味
深い。

著者もエピローグで書いているが、今では家に居ながらどんな秘境でもグーグル・
アースで見ることが出来る。でも、実際に自分の足で未踏の地を探索するロマン
はどんなに文明の利器が発達しても色褪せないと思うのだ。

書籍販売サイトでは概ね好評価の本書だが、私にとっては探険自体は少々がっかり
な内容だった。ただ、チベットの奥地にあるツアンポー渓谷の歴史は面白い。