誰の手に

スーパーコンピュータが世界一になったと思ったら、今度は過去最高額だ。

ストラディバリウスと言えば、バイオリンの名器。この度、日本音楽財団が
保有するストラディバリウスがロンドンの競売で約12億7500万円で落札
された。

この落札額、これまでの最高額の4倍を超すそうだ。気になる落札者だが、
非公表なのだそうだ。ふむ、不況でも世の中にはお金持ちがまだまだいる
のだなぁ。

尚、この落札による収益は、東日本大震災の被災地支援の為、失われた
お祭りの山車や伝統芸能の道具類の製作費として充てられるそうだ。

それにしても落札者が気になるなぁ。

『乾燥標本収蔵1号室 大英自然史博物館 迷宮への招待』(リチャード・
フォーティ NHK出版)を読み始める。

展示室で来館者の目に触れるのは膨大なコレクションのほんの一部。
博物館の奥には気の遠くなるような多くのコレクションと、それを研究・
分類する研究者が潜んでいる。

長年、大英自然史博物館の古生物研究部に勤めた著者による自然史
博物館全史。

30年間、自然史博物館に在籍した著者でさえ、巨大な迷路のような奥深く
の研究室のすべてを知り尽くした訳ではない。

「(前略)存在を忘れられた専門家が、とても見つけにくい部屋にひそんで
いて、その存在すら知られていないということさえありそうだ。奥まった場所
にある小部屋で、だれかが人知れず気が触れて、そのまま忘れられたり
しないのだろうかという想像もした。のちに知ったことだが、実際にそんな
こともあったらしい。」

本当にあったんかいっ!怖っ!!