流浪の民

内閣不信任案と言う名の茶番劇が終わった。政府の震災対応もどうか
しているが、このタイミングでこんなもんを提出する野党もどうかしてる。

今、そんなことをしている場合か。馬鹿どもめ。確かにすっからかん首相
じゃ何も出来ないさ。だが、誰がなっても一緒じゃないのか、今の政治家
センセイたちでは。

力を注ぐところは他にも仰山あるだろう。政争なんかいつだって出来る。
今、やるべきことをやってくれないか。

すっからかん首相も自分に突き尽きられたことをよく考えてみることだな。
権力への執着と人に頭を下げることが嫌って姿勢を直せよ。

イスラエルパレスチナ 和平への接点をさぐる』(立山良司 中公新書
読了。

1989年発行なのでいささか古いが、現在も血腥い紛争が続くイスラエル
パレスチナの民俗対立の構図がバランスよく描かれている。

ドイツでのナチスの台頭からヨーロッパ各地でユダヤ人差別が横行する。
そんな各地域から逃れて来たユダヤの人々が目指したのは旧約聖書
記された「約束の地」イスラエル。しかし、、そこは既にパレスチナ人たち
の土地だったことが長く続く悲劇の始まりだった。

以前、十字軍の話を読んでいても思ったことなのだがアラブってキリスト教
世界の好き勝手に晒されていないか?

十字軍だっていきなり「異教徒征伐だ〜」って攻められているし、ユダヤ人の
イスラエル入植にしたってキリスト教世界での弾圧が原因だろう。

ある日突然、違う宗教の民族がやって来て「ここは私たちの土地だから出て
行ってね」と言われ、家や土地を奪われて難民になってしまうのだ。こんな
不合理なことはないだろう。

そしてヨーロッパ各国は見て見ぬ振り。挙句には国連決議で「仲良くしなさい」
とか言われても出来ないのは無理もない。

流浪の民と言われたユダヤ人は、自分たちの約束の地を獲得する為に新たに
パレスチナ難民という流浪の民を生み出した。

近年のイスラエルのやりたい放題は目に余る。ナチスによるホロコーストのせい
で「悲劇の民族」と言われるユダヤ人だが、そのユダヤ人が現在では悲劇を
引き起こす民族になっていやしないか。

両国関係の年表も掲載されている良書なのだが、絶版のようだ。