雪解けは雪崩になった

旦那の帰国が少々延びた。それをいいことに(?)派遣先からもらった
無駄な3連休最終日はほぼ読書に費やす。

いや〜、久し振りに涙が出たぞ。感動したから…ではなくて長時間読書の
弊害で眼精疲労が原因なのだけど。

おかげで家事は何もしてません。食事もインスタント食品です。さて、明日は
仕事帰りに買い物もしなくっちゃ。洗濯もしようっと。あ…勉強の続きもしなく
ては…。

休日だったのに出勤日の仕事を増やしてどうするんだ、自分。汗。

レーニンの墓 ソ連帝国最期の日々 上』(デイヴィット・レムニック 白水社)読了。
レーニンの墓 ソ連帝国最期の日々 下』(デイヴィット・レムニック 白水社)読了。

帝政から社会主義国へ。レーニンが起こし、スターリンの大粛清時代に確立された
大国・ソ連は長い時間をかけて機能不全に陥って行く。

何もかもが麻痺した大国のトップとして登場したゴルバチョフの改革に、全世界の
注目が集まる。ゴルバチョフが目指した「第二の雪解け」は急激な速さで国を崩壊
させた。それはゴルバチョフや側近たちも考えていなかった雪崩となって襲いかかる。

スターリン信者、ストを決行した炭鉱労働者、国家システムが大揺れに揺れた時期に
富をなした新興財閥等、ソ連帝国の末期を体験した人々へのインタビューからまとめ
られた良書である。

しかしながら本書がアメリカで発表されたのは1993年だ。出来うることならその時点
で日本でも翻訳が出ればよかったのではないだろうか。

尚、ゴルバチョフの失脚後、国家元首となったエリツィンが様々な期待を背負い
ながらも、ただでさえ屋台骨がもろくなったロシアをぐずぐずにしたのは御存じ
の通り。

ソ連が「強いロシア」として復活するにはプーチンの登場を待つしかなかった。
でも、それは私たちが知っている民主主義ではなくプーチン流の民主主義に
依って立っているのだが。