幻の書

原発ジプシー』という本があった。美浜・福島・敦賀原発の下請け労働者
として働いた人が書いた記録である。

私がこの本を知った時には既に絶版だった。たまに古書店で見つけても
購入するには二の足を踏む値段のことが多い。

ところが、本日新刊書店に立ち寄ったら見覚えのある著者名が目の端を
かすめた。手にとって概要を確認する。私にとって長年、幻だった『原発
ジプシー』が改題となって文庫本で復刊しているではないか。

ルポルタージュやノンフィクションは時期を逸すると入手困難になる。
これは買うしかないだろう。他に新刊文庫を何冊か選んで一緒に購入した。

さて、原発関連ニュースである。「実はメルトダウンしたのは震災から数時間
後でした」なんて今更発表されてもなぁ…なのである。

注水しても水位が上がらず、温度も下がらない。素人でもメルトダウン
可能性を考えるわなぁ。どこまで隠蔽体質を貫くつもりだったんだ。

そして、すっからかん首相である。「エネルギー政策を白紙に戻す」と言った
のはいいが、国会で青森県に地盤をもつ自民党のセインセイから「六ヶ所村
についてはどう考えているのか」と質問された。

考えてないだろう。浜岡原発だって場当たりで決めたんだろう。国策であった
原発政策を見直すのであれば、まず六ヶ所村をどうするかを検討しなくては
片手落ちもいいところだ。

思いつきで国を動かすのは、いい加減に止めておくれ。もう何をしてもあなたの
支持率が飛躍的に上がることはないのだから。

スクラップの整理に時間を取られたので、『ザ・コールデスト・ウィンター 
朝鮮戦争 上』(デイヴィット・ハルバースタム 文藝春秋)は小休止。