今や毎日がエイプリル・フール

日本大学アメフト部の内田監督がやっと関西学院大学に謝罪に
行ったようだね。

遅かったんじゃないかなと思うのと同時に、謝罪に行くのに
ピンクのネクタイってどうなの?と些末な点が気になった。

そして、会邸側の学校名まで間違えてたな。「かんさいがくいん
だいがく」じゃなくて、「かんせいがくいんだいがく」ですよ。

『ウソの歴史博物館』(アレックス・バーザ 文春文庫)読了。

「熊本の動物園からライオンが逃げた」

熊本地震の際に街中にライオンが佇む写真と共に、短文投稿サイト
に掲載された投稿は一緒に拡散した。

悪ふざけだったのだろうが、投稿者は偽計業務妨害の疑いで逮捕
(後、不起訴)された。

注目されたい。人の反応を見て面白がりたい。一儲けしたい等々。
ウソやデマをまき散らす人の動機は様々。中世から2000年代前半
までの、人騒がせなウソを集めたのが本書だ。

まぁ、あるわあるわ。歴史的ウソの集大成だ。

日本ではほとんど定着していないが、欧米のエイプリル・フール
大手メディアでさえ社をあげて盛大なウソを吐く。

「今年はスイスでスパゲッティが豊作です」と言って、スパゲッティ
を収穫している映像を流すBBC。なんで木にスパゲッティがなってる
んだよ〜。

欧米流のユーモアなのだろうが、4月1日と分かっていても騙される
人が多いのにもびっくりだ。

ウェルズ『宇宙戦争』のラジオ・ドラマを途中から聴いた人たちが
「異星人が地球に攻め込んで来たっ!」とパニックを起こした事例
は有名だが、実際にパニックに陥った人は少なかったようだ。

後になったら笑えるウソならいいが、ピュリツァー賞返上までになった
ワシントン・ポスト紙の記事「ジミーの世界」などは笑えない。記事で
照会されたヘロイン中毒の少年ジミーは、何から何まで取材したと言う
女性記者の捏造だったのだものな。

日本の事例で取り上げられているのは、考古学に多大な影響を及ぼした
遺物発掘ねつ造の「神の手」の人。やったご本人が精神的な不具合を
抱えているようなので、発掘予定にしていた偽の遺物をどこに埋めた
のかも解明されてないのではなかったか。

長い間に様々な論争があったネス湖ネッシー偽書として名高い
ヒトラーの日記』『シオン賢者の議定書』なども取り上げられて
おり、通読せずとも掲載されているいくつかの事例を拾い読みする
だけでも面白い。

インターネットの登場と発展によって、ウソの拡散と浸透はスピード
を増した。熊本地震の際の脱走ライオンほどではないが、日々、ウソが
増産されているように感じる。

伝達手法が発達すればするほど、ウソを見抜く力が必要になって来る
のだろうな。折れた煙草の吸殻でウソを見破れた時代もあったのに。

さて、こうやって戯言を書き殴っている私も実は偽の存在だったり
して…ね。