頭と体をフルに使ってます

訃報が続くな。今度は西城秀樹だ。63歳はまだまだ若いだろう。

郷ひろみ野口五郎との「新御三家」の時代はちょうど私くらいの
世代なんだよな。私はジュリー一筋だったが。

訃報を伝えるテレビニュースでドラマ「寺内貫太郎一家」のシーンが
流れていた。当時はまだ「悠木千帆」と名乗っていた樹木希林との
やり取りのシーンは、今見ても名場面だった。

ご冥福を祈る。合掌。

不肖・宮嶋&忍者・大倉 一撮入魂』(宮嶋茂樹+大倉乾吾 文春
文庫PLUS)読了。

オウム真理教の元教祖・麻原彰晃の、小菅港所内での姿を捉えた写真
は衝撃的だった。

頭巾をかぶせられ、車椅子で移動している場面を掲載したのは「週刊
文春」。撮影したのは著作も多いカメラマン・宮嶋茂樹

この小菅拘置所での麻原彰晃の写真のほか、写真週刊誌などに掲載
された数々のスクープ写真撮影の裏話を、相棒にしてライバルでも
あるカメラマン・大倉乾吾との会話形式で綴っているのが本書だ。

「その一瞬」を抑える為の膨大な待ち時間、いかに他のカメラマンと
違うショットを撮るかのアイデア。まぁ、無茶苦茶である。

東海村のJCO臨界事故の時に、誰が「高所作業車から撮影じゃ」なん
て考え付くだろうか。高所作業車のレンタル料金もばかにならないだ
ろうに。

今では「フライデー」が雑誌にその名を留めているくらいだが、写真
週刊誌全盛時代は各社の競争が激しかったのだろうな。御巣鷹山での
日航機墜落事故の時は、各誌がかなりえぐい写真を掲載していたこと
を覚えている。

本書で一番印象に残ったのは池田小学校児童殺傷事件の犯人・宅間守
の父親の話。情報が欲しくてちやほやするマスコミもどうかしている
が、息子がとんでもない事件を起こしたのにその息子の写真やら日記
やらをマスコミに売り飛ばしてってなんだよ。

そりゃ、不肖・宮嶋が正義のフラッシュを浴びせてその姿を写真に
納めようとするわ。

「財界のフィクサー」と呼ばれた許永中の護送中の写真を狙った
追跡行、広島刑務所から出所したオウム真理元幹部の上祐史浩
広島から東京まで追っていく話は興味深かった。

おふたりとも、物凄い機動力だ。そうでなければ週刊誌のカメラマン
は務まらないのだろうが。

つくづく思うわ。カメラマンって相当に頭と体を酷使する仕事なんだと。