戦争を知らないお子ちゃまたち

「戦争を知っている世代が政治の中枢にいるうちは心配ない。
平和について議論する必要もない。だが、戦争を知らない世代が
政治の中枢となったときはとても危ない」

これは田中角栄の言葉。予言者か、角さん。

そして、またひとり、戦争を知っている政治家が亡くなった。自民党
幹事長などを務めた野中広務である。

安倍晋三が提案している憲法改正には反対を表明していたし、「私みたい
に戦争に行って戦争で死なないでかえってきた人間は、再び戦争になる
ような道は歩むべきではないと。これが私の信念です。死ななかったか
ら今日の私があるんですから。死んでいった連中を今思い起こしても、
本当に戦争というものを二度と起こしてはならない。それが私の今日
までの姿です」とも言っていた。

92歳という年齢を考えれば寿命であったのだろうが、こうやって徐々に
戦争を知っている政治家が表舞台から消え、角さんの言葉のように
戦争を知らない坊ちゃん・嬢ちゃんが勇ましいことばかり言っている
のが今の政治家だよな。

それにしてもだな、自民党のセンセイ方よ。共産党からさえ野中広務
死去に関して発言が出ているのに、自民党からまったく出て来ないって
何よ?

哀悼の言葉を述べているのは既に引退した自民党のセンセイばかりだった
ぞ。あれかな?麻生太郎が「あんな部落出身者を首相に出来ないわなあ」
なんて言ってから、こぞって無視ってことか?

あぁ…最悪だよ、麻生太郎

引き続き『ベトナムの少女 世界で最も有名な戦争写真が導いた運命』
(デニス・チョン 文春文庫)を読む。

キム・フックに救いの手を差し伸べたファム・ヴァン・ドン首相が
めちゃくちゃ格好いいっ!