地獄を見た10代の少女たち

「食糧不足のため、冬にもかかわらず燃料が不十分な船で出漁を
命じられた」北の漁民が、「(昨年)100隻以上の漁船が日本に
漂着し、乗組員の3分の2が死亡した」ことを「制裁の効果」だと、
外相級会合で同盟国の人間に報告した政治家が、どんな人間だと
判断され得るのかについて考えている。」

コラムニスト・小田嶋隆氏のTwitterでの呟きから。

河野洋平さん、お願いします。息子さんを叱って下さい。

ひめゆり沖縄戦──少女は嵐のなかを生きた──』(伊波園子
 岩波ジュニア新書)読了。

当時を思い出し、書いたり語ったたりするのも相当に辛いことなのだ
ろうと思う。それでも、ひめゆり学徒隊の生き残りである女性たちは
自らの体験を書き、語り、後の世代に戦争の惨禍、そして平和の大切
さを伝えようとした。

心を引き裂かれ、血の出るような思いで書かれたり、語られたりした
ことを、私を含め戦争を知らない世代は受け止め、考えなくてはいけ
ない。

ひめゆり学徒隊沖縄県女子師範学校沖縄県立第一高等女学校の
教師と生徒を主体に作られた女子学徒隊の悲劇については映画や
小説でも取り上げられた。

著者は沖縄県女子師範学校の卒業間際に看護要員として動員された。
そして、体験した沖縄戦アメリカ軍の攻撃を避けながら壕を転々と
し、その合間に傷病兵の手当てをし、極度の疲労と食糧不足に悩まされ、
多くの恩師や級友を失いながらも「鉄の暴風」を生き延びた。

小学校高学年以上向けの作品なので、筆は抑えられているのだろうが
それでも沖縄戦の悲惨さは伝わって来る。

逃げ延びる為に足手まといになる傷病兵を置き去りにしたり、海に入って
自決することを求められたり、子供が泣くからと壕から追い出された女性
がいたり。

本土からの支援物資は届かず、負傷者の手当ての為の包帯や薬品も満足に
ない。

文字通り、沖縄が捨て石だった。そんな激戦を生き延びても、戦後には
生き残った後ろめたさを抱え込まなければならないなんてなぁ。

生き延びて語る勇気を出してくれたことで、沖縄戦で何があったかを
知ることが出来るのだと思う。

国は国民を守らない。改めて感じた。