疑惑の究明

アメリカ・大統領選に絡んでのロシア・ゲート疑惑。FBIが
フリン元特別補佐官と司法取引をしたってことは、もっと
上の人間を標的にしているってことだよね。

既に娘婿であるクシュナー氏の名前が取りざたされているが、
本丸はトランプ大統領本人なのかな。

ご本人は機会あるごとにロシアの関与を否定していようだが。

我が国の森友学園加計学園問題共々、今後が気になる。

引き続き『湛山読本 いまこそ、自由主義、再興せよ。』(船橋洋一
 東洋経済)を読む。

「昔、日蓮上人は立正安国論の中で、正法を圧迫し悪法を広める国には、
善神跡を絶ち、悪神跋扈すると戒めた。近年のわが国は正に正法を圧迫
し、悪法を流布する国ではなかったか。その敗戦の原因は、決して単に、
軍需品の生産減退や飛行機の不足だけではない。否、その減産や不足は、
実に悪神跋扈の結果であった。
この意味において、9月5日の議会に政府が発表した諸数字のようなもの
は、ただ戦争の遂行を不可能にした末端の事情を示しただけで、敗戦の
真の原因を明らかにしたものではない。同日議会において東久邇稔彦
首相が述べられたところでは、天皇陛下は、大東亜戦争勃発前の和戦
を決定する重大な御前会議で、「四方(よも)の海みな同胞(はらから)
と思ふ世に など波風のたちさわぐらむ」と、明治天皇の御製をお詠み
になられ、政府に対してあらゆる手段を尽くして交渉を円満にまとめる
ようにと御鞭撻されたという。にもかかわらず、政府はこのようなお考
えを拝しながら大東亜戦争を起こした。また、それより前には満州事変
を起こし、支那事変を起こした。今日心ある国民が知りたいのは、その
経過であって、その中にこそ、今回の敗戦の真の原因を捕捉できるのだ
と思う。
記者は連合国が要求するような所謂戦争犯罪人の処罰は望まない。しかし、
満州事変、支那事変、大東亜戦争などがいかなる経過で起こったかの真相
を赤裸々に発表し、それによって敗戦に至った責任を明らかにすることは、
首相宮の言われた国民総懺悔のために是非とも必要であると思う。
新聞によればソ連の『プラウダ』紙は、9月2日の社説で日本の降伏につい
て論じ「敗北後の日本の事態はドイツの事態と大きく性質が違う。日本に
は戦争を始め、戦争を指導した一派が依然権力を掌握し、軍部も相変わら
ず存在しており、民衆の声はまだ全然聴かれない」と言っている。なるほ
どわが国においては、敗戦の結果各方面の指導者に大きな変化が起こった
跡がない。『プラウダ』紙がこう言うのも一理ある。
今日の場合、たとえそれが誤った観測であったとしても、連合国側にこの
ような印象を与えることは、外交上由々しき不利益だが、ましてやこれが
もし事実とすれば、国民総懺悔の趣旨とはまったく違って、国運の将来に
禍いとなること必然である。
国民は今回の敗戦を決して甘く見てはならない。その原因を究明しようとも
せず、依然として旧来の指導者が各方面に平気で顔を並べているのは、敗戦
を甘く見てる証左である。」

湛山が提言するような、敗戦の原因究明は結局はならなかった。戦勝国
主導する極東軍事裁判で戦争に対するすべては禊を終えたとしてしまった
からか。今の日本には歴史修正主義が跋扈している。