譲位後

秋篠宮文仁親王殿下、52歳のお誕生日おめでとうございます☆
今年も着込妃殿下と揃って会見である。

「陛下は元々譲位をするときには、それまでされていた国事行為を
始め、全ての公的な活動を次の天皇に譲るという気持ちを持って
おられました。そのことからも、そういう二重権威という言葉が
適当であるとするならばですが、心配する若しくは危惧するという
向きがあったとしても、そういうことはあり得ないと私は、それは
はっきりと言えます。」

記者から「上皇天皇の併存で二重権威にならないか」との質問へ
のご回答の一部。

今上陛下のお仕事を今の皇太子殿下がすべて受け継いだら、とっても
お忙しくなりそう。ここ数年、日程ガラガラの皇太子殿下なので大丈夫
なんだろうか。まぁ、妃殿下には期待してないが…ボソ。

でも、今上陛下が退位なさったら、もっと忙しそうなのは秋篠宮殿下
なんだよね。今の皇太子殿下のお仕事を引き継ぐけれど、秋篠宮殿下
のお仕事は引き継ぐ先がないのだから。

引き続き『湛山読本 いまこそ、自由主義、再興せよ。』(船橋洋一
 東洋経済)を読む。

「朝鮮台湾樺太も棄てる覚悟をせよ。中国や、シベリアに対する干渉は、
もちろんやめよ。これこそ、対太平洋会議対策の基本である──という、
前号に掲載した私の主張に反対する者は、その理由として次の二点を
指摘するだろうと思う。
(一)わが国はこれらの地域をしっかり抑えておかねば、経済的、国防
的に自立できない。少なくとも、それを脅かされる恐れがある。
(二)列強国はいずれも海外に広大な植民地を持っている。さもなければ、
米国のように自らの領土が広大である。にもかかわらず、列強は広大で
資源豊富な土地に障壁を設けて、他国民が入ることを許さない。その
状況下で、日本にだけ海外の領土や勢力範囲を棄てよというのは、不公平
である。
私は、この二つの反論に対し、次のように応える。第一の反論は幻想で
ある。第二は欲に囚われ。大欲を遂げる方法を知らないもののの主張
である。
私の主張に反論する論者は、朝鮮台湾樺太などの地域をわが国の領土と
するか、勢力範囲としておくことが、国防上必要だと言うが、それは
間違いである。本当は、これらの地域を領土や勢力範囲にしておく
ためには、国防が必要になるのである。これらは軍備を必要とする
原因であって、軍備の必要から起こった結果ではない。であるのに、
多くの人々がこの原因と結果を取り違えて、台湾、中国、朝鮮、シベ
リア、樺太はわが国の国防の防波堤である、と言う。その防波堤こそ
が、最も危険な燃え草であることが、なぜわからないのか。
私がわが国に、大日本主義を棄てよと主張するのは、決して小日本
国土に縮こまって、世界に遠慮しながら生きよ、という意味ではない。
そうではなくて、わが日本国民が世界をわが国土として活躍するため
には、大日本主義お棄てなくてはならないと言っているのである。
それは、決して国土は小さいままでもよいという主張ではなく、日本
の活躍の場を世界大に広げるための策である。
わが国は、人道のためなどという立派なことではなく、単に自国の利益
のために、海外領土はすべて解放し、諸民族に自由を与える政策で、
列強国の急先鋒となるのが得策である。
朝鮮、台湾、樺太満州などの土地を放棄することで、より広大な中国
全土を私たちの友として、さらに進んで東洋の全体を、さらには、世界
の弱小国全体をわが国の道徳的支持者とすることができれば、どれほど
の利益であるか知れない。もし、それを実現させてなお、米国が横暴で
あり、あるいは英国が驕慢であって、東洋の諸民族や世界の弱小国を
虐げるようなことがあれば、その時こそ、わが国は是非とも虐げられた
国々の盟主となって、英米を征伐し、懲らしめればよい。」

1921年に書かれた「大日本主義の幻想」と題された論文。このキレ
こそ湛山だわ。惚れ惚れ。