保守でも右派でもない

天皇陛下生前退位を巡る有識者会議が専門家からのヒアリング
をしていたのだが、呼ばれたというか、政府が選んだ12人のうち、
半数が日本会議関係者なんだよな。

だから、妙な話になっている。ジャーナリストならぬナショナリスト
桜井よしこ渡部昇一上智大学名誉教授なんて結局は「退位は
だめ。皇太子の摂政で十分」だもんな。

この人たち、天皇陛下のあの時のお言葉をきちんと聞いたのだろうか。
ご高齢であるのも退位のご意向を表明された理由だけれど、殯(もがり)
をしながらの即位の準備という重さもあるんだぞ。

渡部昇一なんて「象徴天皇としての仕事をなさらなくても、国と国民の
ために祈って下されば十分だ」だって。

象徴天皇としてどうあるべきかを模索されて来た今上陛下に対して、
あまりにも失礼な言い方じゃないのか。

生前退位皇室典範の改正に反対している専門家たちは、いわゆる
「保守」だとか「右派」と呼ばれる人たちなんだけれど、右派ならば皇室
を敬え。

こういう人たちって保守でも右派でもないと思うんだけどね。天皇陛下
皇室を、自分たちの都合のいいように使いたいだけなんでしょ。

美濃部達吉天皇機関説を唱えて排撃されたのだが、今度は保守とか
右派と呼ばれる人たちが天皇機関説を取るのかしらね。

「国家の安定の根底は皇室の安定」などと櫻井よしこは言ったようだが、
この機会に皇室典範を見直さないと大変なことになると理解してないの
かしらね。

現在の皇太子殿下に親王はおらず、他に継承権のあり、皇太子殿下より
若い皇族は秋篠宮殿下と悠仁親王殿下のおふたりだ。

どうする気なんだ?皇室、なくなってもいいのか?

尚、この専門家の中に作家の保坂正康氏と、朝日新聞の皇室担当で
ある岩井克己氏がいるのが私にとってはせめてもの慰めだ。

引き続き『CIA洗脳実験室 父は人体実験の犠牲になった』(ハービー・M・
ワインスタイン WAVE出版)を読む。

今より精神医学が遅れていた時代とは言え、副作用も考慮せずに薬を
乱用するって怖いわ。