器の違い

『メディアの怪人 徳間康快』(佐高信 講談社+α文庫)について
は昨日、読後感を書いたのだが、その中で本筋とは少々外れるが
気になった話があった。

「徳間君は私と同じく新潟県出身の同郷人であり、古くからの友人
です。その彼が、このたび、かねてからの念願であった新聞経営に
着手されることを心からお喜び申し上げる。社長と編集局長を兼務
して自ら陣頭指揮に当たるそうですが、田中批判けっこう、自民党
批判も大いにやってください。自民党はつぶれてもいいが(爆笑)、
『東京タイムズ』がつぶれたら大変です。そのために、みなさんの
力を貸してやってください。ニューヨークに『ニューヨーク・タイムズ
があり、ロンドンに『ロンドン・タイムズ』があるけれども、世界一の
人口を擁する首都東京の『東京タイムズ』が一日も早く両タイムズ
を名実ともにしのぐ立派な新聞になってほしい。今後を大いに注目
しています」

上記は徳間氏の『東京タイムズ』社長就任披露パーティで、当時の
首相だった田中角栄の挨拶の言葉だ。

リップサービスもあるんだろうし、金権政治の生みの親でもあり角さん
のすべてを手放しで称えることはしないけれど、今の自民党と比べて
しまうよ。

ちょっと都合の悪い報道をされると「公平中立じゃない」とぎゃあぎゃあ
騒いで、テレビ局に対しては電波停止もありえるなんて脅すんだもの。

今の自民党のセンセイはリップサービスであっても角さんのようなこと
は言えないだろうね。「自民党はつぶれてもいいが」なんて。

器の小さいセンセイたちばかりだもんな、総裁を筆頭に。

『CIA洗脳実験室 父は人体実験の犠牲になった』(ハービー・M・
ワインスタイン WAVE出版)を読み始める。

1950年代から1960年代にかけて、アメリカ・CIAが極秘に行っていた
洗脳実験「MKウルトラ」。自分の父がおかしくなってしまったのは、
この実験のせいではないのか。

父に何が起こったのかを理解しようと精神科医となった著者が、カナダと
アメリカ政府を相手とした集団訴訟に参加し、その真相を暴いていく。