不寛容と排除の時代だ

沖縄・北方担当大臣なのに「歯舞(はぼまい)」が言えなくて、
「えーっと、なんだっけ」と言ってしまった島尻センセイ。

今度は「学童保育」が言えなくて「えーっと、なんだっけ」ですって。

お願い。一旦政治家を辞めて、勉強して出直して来てくれないかね。
今の選挙制度投票率が低ければ、こんなおバカちゃんでも当選
しちゃうんだよな。

そういえば党是も言えなかった自民党のセンセイもいたな。あ〜、
陶片追放したいわ。

『時代の正体 権力はかくも暴走する』(神奈川新聞「時代の正体」
取材班:編 現代思潮新社)読了。

いつからだろう。「日本や日本人スゴイ」というテレビ番組が増え、
新刊書店の店頭には「日本は世界から尊敬されている」みたいな
内容の本が並ぶようになったのは。

先日、家人がつけっぱなしにしていたテレビから日本の幼児教育の
現場を海外のプロが視察するという内容の番組が流れていた。

確か幼稚園だったと思う。園児たちが先生の後について、百人一首
暗唱し、難しい漢字を唱えていた。番組の趣旨としては「ほら、日本の
幼稚園児はこんなに凄いんですよ」と見せたかったのだろう。

だが、正直気持ち悪かった。百人一首も漢字も、意味が分かって読ん
でいるのではない。「集中力がつく」と当の幼稚園の人は言っていた
けれど、意味を理解せずにただ読ませることに意味があるんだろうか。

海外から視察に来た方は「軍隊みたい」との感想を述べていた。
どちらかといえば私の感じ方も海外の方に近かった。

日本人であることを卑下することはないけれど、こんなに日本と日本人
を持ち上げる必要はあるんだろうか。もしかして、愛国教育の一環か?
なんてうがった見方をしてしまう。

これがエスカレートすると、「日本人スゴイ。他はゴミ」みたいな発想に
ならないだろうか。不寛容を助長し、異なる者を排除する。少しずつ、
そんな空気が蔓延しているのじゃないか。

本書は神奈川新聞に掲載された記事の書籍化だ。なんとなく息苦しく
なっている今の時代を現場取材を通して描こうとしている。

解釈改憲を行って集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法
案に「No」の声を上げ続けた人。沖縄同様、県内に米軍基地を抱える
神奈川の新聞だからこそ提起できる基地問題

川崎市内を我が物顔でのし歩くヘイトスピーチと、それに対抗するよう
にカウンターを行う人々。黒岩神奈川県知事時代の歴史教科書問題。

「偏ってますが、なにか」と堂々と宣言してしまう神奈川新聞の記事だけ
あって、確かに偏ってはいる。だが、それは権力を持たぬ人々の声を
拾い上げようとする偏りだ。私は好きなんだけどね、神奈川新聞。

特定秘密保護法が施行され、武器輸出三原則が見直され、「平和」だ
とか「安全」だとか口当たりのいい言葉を冠した安全保障関連法案が
採択され、次に控えるのが改憲ならぬ壊憲だ。

権力を監視すべきメディアは今、萎縮している。「これはおかしくない
か?一体、どういうこと?」と思っても大手メディアが報じることは少な
い。だったら、私たちは何を材料にして国がしようとしていることを
判断すればいいのだろうか。

安全保障関連法案が「戦争法案だ」と言われた時、安倍晋三は自ら
テレビ番組に出演し、へんてこりんな模型を使って何故安全保障関連
法案が必要なのかを説明していた。

あれで理解できた人がいるんだろうか。戦争を火事に例えること自体、
無理があったと思うし、アメリカの艦船が在留邦人を乗せてくれること
なんて過去にもなかったのにね。

声を上げても何も変わらないかもしれない。でも、もしかしたら何かが
変わることもあるかもしれない。おかしいことをおかしいと言える人間
でありたいと思う。どんなに息苦しくなろうともね。

そういえば、昨年夏、何度か国会前デモに行ったんだが、その時、
警視庁の機動隊が出動していた。デモ参加者にカメラを向けいた
私服がいたんだけど、あれは公安かしらね。

私、わざわざカメラに向かってVサインしてあげたんだけど、残って
ますか〜。