日本は無視という衝撃

世界フィギュアの男子シングルスはフェルナンデスが300点超えで
優勝。女子シングルスはショートプログラムアメリカのゴールド嬢が
トップ。ゴールド嬢、華があって好きだわ。

アメリカは地元開催だけあって、女子選手3人ともよかったなぁ。今回、
女子はアメリカvsロシアの台乗り競争になりそうだな。明日のフリーが
楽しみ☆

『世界最強の女帝 メルケルの謎』(佐藤伸行 文春新書)読了。

メルケルさんと一緒にどこかお店に行って、もっと気の利いた洋服を
買って着せなさい」

東ドイツの副報道官に就任した時、東ドイツ最後の首相デメジエール
にこんな言葉を言わせた女性が、ドイツ初の女性宰相になるとは誰
も想像しなかったのではないだろうか。

だぶだぶのスカートにサンダル履き、無造作な髪形。外見を気にしな
さ過ぎる女性が、自分の副報道官だと知った時、デメジエールはさぞ
驚いたことだろう。

元々は物理学者だったアンゲラ・メルケルが何故、ドイツ首相になり、
EUのみならず世界の指導者のなかでも無視できない存在にまで
登り詰めたのかを読み解くのが本書。

なのだけれど、読んでもやぱり分からないことが多いんだよね。
政治家にしてはその道に入ったのが35歳という遅咲き。それまでも
目立った活動はしていない。

ただ、政治家として登場した時期が時代の変化に合致しているのは
確かなのだろう。自分を引き立ててくれた男性政治家たちがスキャン
ダルに見舞われるごとに彼女の地位は確実に上の段階に進んで
いるのだもの。

著者はこれをメルケルによる「父親殺し」と表現しているのだけれど、
私は「たまたま」って気がしないでもないんだよな。メルケル首相自身、
自分のことをほとんど語らない人だから真相は謎だけど。

興味深かったのはドイツと中国の関係。技術大国・輸出大国である
ドイツは巨大市場として中国との関係を重んじているということ。え?
日本?「無視」ですって。

これはメルケル首相の段違いの中国訪問回数の多さが明確に表れて
いるものな。日本に来たのは3回だっけ。

日本って結構、ドイツに親近感を持っていると思うんだけれど、これって
日本の片思いってことなのかしら。反日どころか、相手にもされてない
なんて悲しい…。

イギリス・フランスというかつてのヨーロッパの覇権国の集落が著しい
昨今、ドイツは益々存在感を大きくしている。そこには見た目の安心感
とは裏腹のメルケル首相の「すべてはドイツの為に」という熟慮した
戦略があるんじゃないかな。

私は好きなんだけどな、メルケル首相。各国首相の会議などで彼女の
姿があるとほっこりするもの。「鉄の女」と言われたイギリス・サッチャー
首相のような洗練さはないけれど、安定感は抜群だもの。

しかも、ロシア・プーチン閣下にすばっと物を言えるのもメルケル首相く
らいじゃないか。閣下が絶賛するくらいロシア語に堪能なのだそうだ。

尚、先日、日本の外交委員会での自民党・松島”うちわ”みどりセンセイ
の態度の悪さが話題になった。答弁している外務大臣副大臣の隣の
席で大あくびをしたり、携帯電話をいじったり、居眠りをしたり、本を読ん
だり。

その時、松島センセイが読んでいたのが本書なのだそうだ。確かに
答弁を聞いているより面白いかもしれないけれど、本書を読んでも
メルケル首相のようにはなれませんよ、松島センセイ。器と頭脳が
違い過ぎます。