あるフランス人ジャーナリストのFacebookから

昨晩、旦那に訳してもらいながら聞いたのだが、今日付けの朝日新聞
朝刊に全文の訳が掲載された。

先日のパリ同時多発テロで奥さんを亡くしたフランス人ジャーナリストが、
テロリストへ向けて綴った言葉だ。

 「君たちに私の憎しみはあげない」
 金曜の夜、君たちは素晴らしい人の命を奪った。私の最愛の人であり、
息子の母親だった。でも君たちを憎むつもりはない。君たちは誰かも知ら
ないし、知りたくもない。君たちは死んだ魂だ。君たちは、神の名において
無差別な殺戮をした。もし神が自らの姿に似せて我々人間をつくったのだ
としたら、妻の体に撃ち込まれた銃弾の一つ一つは神の心の傷となって
いるだろう。
 だから、決して君たちに憎しみという贈り物はあげない。君たちの望み
通りに怒りで応じることは、君たちと同じ無知に屈することになる。君たちは、
私が恐れ、隣人を疑いの目で見つめ、安全のために自由を犠牲にすること
を望んだ。だが君たちの負けだ。(私という)プレーヤーはまだここにいる。
 今朝、ついに妻と再会した。何日も待ち続けた末に。彼女は金曜の夜に
出かけた時のまま、そして私が恋に落ちた12年以上前と同じように美し
かった。もちろん悲しみに打ちのめされている。君たちの小さな勝利を
認めよう。でもそれはごくわずかな時間だけだ。妻はいつも私たちととも
にあり、再び巡り合うだろう。君たちが決してたどり着けない自由な魂たち
の天国で。
 私と息子は2人になった。でも世界中の軍隊よりも強い。そして君たちの
ために割く時間はこれ以上ない。昼寝から目覚めたメルビルのところに
行かなければいけない。彼は生後17カ月で、いつものようにおやつを
食べ、私たちはいつものように遊ぶ。そして幼い彼の人生が幸せで自由
であり続けることが君たちを辱めるだろう。彼の憎しみを勝ち取ることも
ないのだから。

※奥様のご冥福と、メルビルくんの自由で幸せな人生を祈る。