♪食糧 選択の自由〜 あはは〜ん♪

「立った、立った。クララが立った」はアニメ「アルプスの少女
ハイジ」。

「しゃべった、しゃべった。愛子様がしゃべった」という訳で、
学習院中等部入学式で、やっとこや東宮家の内親王
がカメラまで声を発した。

あとはお辞儀とお手振りがきちんと出来る様になるといい
のだけどな。それと、伊勢神宮参拝か。

『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(鈴木宣弘 文春新書)
読了。

工業vs農業で語られることの多いTPP参加の賛否。実は
関税撤廃の話だけではないのだが、本書では食の安全
保障の観点からTPPをはじめ、アメリカが仕掛ける戦略
を解説している。

怖いよ〜。今でさえ食料自給率が39%の日本なのに、
TPPに参加してアメリカから大量に安い食料品が入って
来たら、自給率は益々低下する。

「安くなるんだからいいじゃない」。価格面だけを考えたら
そうかもしれない。でも、ちょっと立ち止まってみよう。

数年前、バイオ燃料ブームがあった。その時、何が起こった
か?トウモロコシ価格の高騰ではなかったか。

「いや、日本の主食は米だから大丈夫」。うん、トウモロコシ
ではないからね。でも、その主食のほとんどをアメリカに
頼るようになったらどうなる?

アメリカが干ばつに襲われたとしよう。日本にそれまで通り
アメリカ産の米が入って来るはずもなく、日本は兵糧攻め
に遭うことだろう。

そればかりではない。本書で一番怖かったのが、モンサント
社に代表される遺伝子組み換え種子を販売する会社の
戦略だ。

現在、日本国内では食品パッケージに遺伝子組み換えの
有無を表記しているが、TPP参加後にアメリカから「不公平
だ」とねじ込まれたら、この表記さえ取り止めになる。

BSE対策でアメリカ産牛肉の輸入月齢制限は、なし崩し的に
引き上げられている。日本の監督官庁は「TPPとは関係ない」
と言っているが、アメリカの意向を受けていることは間違い
ないだろう。

武力とエネルギー、そして食料と、アメリカはあらゆる手段を
使って世界をコントロールしようとしている。

日本政府はいくつかの品目を聖域として関税維持を言って
いるが、そんなものは絵に描いた餅だ。このまま交渉が
進み、日本が参加すことになれば私たちの食卓は完全に
アメリカのコントロール下に置かれる。

成長ホルモン漬けの豚肉や牛肉なんか食べたくないぞ〜。

本書ではEUの取り組み等も紹介されていて、分かりやすい。
自国民の食の安全を脅かし、アメリカに追随すような政府
なんかいらんだろう。