捏造しなきゃテレビじゃないっ

ケネディさんって、ずっと日本にいるの?」

えっと…キャロラインさんのことかな?そりゃアメリカに帰国する
こともあるだろうけれど、駐日大使としての赴任なんだから任期
中は日本にいるとおもうけど。

彼女の着任から何人の人に聞かれただろう。駐日大使って
何だか知ってますか〜?

『メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学』(松永和紀
 光文社新書)読了。

武田某とい大学教授がいる。メディアに出ることも多いので、
知っている人も多いことだろう。

地球温暖化、資源保護、環境ホルモン等の有害化学物質等々。
その時々の話題に必ず首を突っ込み、オリジナリティ溢れる
理論を展開している人だ。

きちんとした裏付けがあるなら信用もしようが、そうでないところ
が大問題。福島第一原発事故後に放射能問題が持ち上がれば、
案の定、便乗した。人の不幸は金儲けのネタか。

さて、この武田某もそうだがテレビや新聞、雑誌には各種健康
情報が溢れている。人間誰でも健康でいたい。だから、病気予防
やダイエットなどを取り上げれば一定数の視聴率や、読者を確保
出来る。

一時期、納豆や寒天、バナナが店頭から消えた。そう、ダイエットに
いいとのことでテレビ番組で取り上げられたからだ。

現在はどうだ。どの商品もいつでも店頭にある。入手困難なんて
ことはない。いつの間にかブームは去り、次から次へとメディアが
繰り出す「体にいいもの」に私たちの視線は移って行く。

巷にあふれる健康情報。それは信じるに値するのかに警鐘を鳴らして
いるのが本書だ。テレビ番組が取り上げたことから白インゲンでの
ダイエットを試み、体調不良を訴えた人が続出したこと等を例に取り、
メディアがいかにいい加減なデータを基に情報の垂れ流しをしている
かを綴っている。

著者が言いたいことは分かる。しかし、ちょっと偏り過ぎちゃいないか。
福島第一原発事故後、「ただちに健康への影響はない」と時の官房
長官が何度も口にしていたが、食品添加物や保存料、遺伝子組み
換え食品について、著者も似たようなことを言っているんだよな。

結局さ、化学物質は自然界にも存在するし、人体への影響にも
個人差があるんだから、まるっきり安全ですよとも言えないのでは
ないか。

何度も捏造が発覚しても同じことを繰り返すメディアは勿論問題
ではある。ニセ情報を流しっぱなしで、その後の訂正なんてない
に等しいもの。

そして、良心を持った科学者がいる一方で、メディアに名前と顔
が売れればなんでもありの科学者がいるのも確か。

メディアに踊らされないこと。これが一番肝心だよね。