報道版シーシェパードか

2日間、ショックで寝込んでました。というのは嘘なんだけれど、
ショックだったのは本当。

ロシアのフィギュアスケートのペア、川口&フミルノフ組のスミルノフ
が競技中に転倒。右脚靱帯断裂の大怪我。

これによってグランプリシリーズもNHK杯も欠場が決まった。うわぁ、
競技生活最後のシーズンなのに。とほほ…。

『闘うジャーナリストたち 国境なき記者団の挑戦』(ロベール・メナール
 岩波書店)読了。

毎年「世界報道の自由ランキング」なるものが発表される。ここ数年、
1位を保っているのは北欧のフィンランド。我が日本国はと言えば、
ズルズルと順位を下げて今年は53位である。

このランキングを発表しているのが「国境なき記者団」なる団体だ。
本拠はフランス。世界中のメディアを監視し、拘束されているジャー
ナリストの救出などの活動を行っている。

本書の著者は「国境なき記者団」創設メンバーのひとり。その著者が
団体創設からの20年の活動を綴ったのが本書である。

私はこの団体に対して、非常に懐疑的な気持ちを抱いているので
本書を読んでいても違和感ばかりが募った。

世界中には報道の自由とは縁遠い国や地域がまだまだある。
そこでは権力者に都合の悪い情報を広めようとする者には常に
身の危険がつきまとう。そんな表現者たちに手を貸したり、世界に
向けて知らしめることは需要なことだとは思う。

だが、「国境なき記者団」の活動は「ジャーナリスト」と言うよりも
活動家なんだよな。

本書が発行された後だが、中国政府への抗議の為に行われた
北京オリンピックの聖火採火式の妨害行動なんてその最もたる
ものだろう。

言論や報道の自由を抑圧する中国政府に対する抗議行動なら、
中国でやればいいじゃないかと思った。もしくはフランスの中国
大使館前とかさ。

本書でも拘束されたり、活動を制限されている表現者たちへの
支援活動が綴られている。それはやはり表現者としての活動
と呼べるものではなく、活動家のそれなのである。

ジャーナリストなら書くこと、表現することで勝負するのが本来の
あるべき姿なんじゃないかな。この団体というか、著者のやって来た
ことを読むと、シーシェパードグリーンピースと変わらないもの。

資金の出所を考えると中立性にも疑問が残るのは否めない。
ジャーナリストなぁ。やっぱり何かが違うのだ。残念。