実は厄介なお人だった

アメリカ政府による個人情報収集の実態を暴露した元CIA職員が、
滞在先の香港から離れた。

どうやら行き先はモスクワらしい。ふむ、ますますスパイ映画
じみてきた。今後のの展開が楽しみ〜。

『文豪たちの大喧嘩 鴎外・逍遥・樗牛』(谷沢永一 ちくま文庫
読了。

うぅ…森鴎外が嫌いになりそうだ。脚気論争は知っているし、その他
にもさまざまな論争の張本人だったのは知っている。

それがこんなに酷かったとは…。

本書は日本文学の黎明期である明治文壇に巻き起こったいくつかの
論争に焦点を当てて、その成り行きを詳細に追っている。

本当に嫌な奴なのだ、森鴎外。「鴎外にだけは気をつけよ」。内田魯庵
の言葉通りなのだ。

論争なんてもんじゃない。自分の意に添わなきゃ誰彼構わず喧嘩を
ふっかけ、重箱の隅をつついてとことんまで追い詰める。

確かに天才かも知れないよ。飛び級もしているし、語学にも堪能だし、
官費で留学もしているしさ。

だからって、自分の解釈だけが正しいと人を追い詰めるのはどうよ?
鴎外に目を付けられた人はお気の毒だわ。

子供たちが書いた「素敵な、私のパッパ」みたいなエッセイでの鴎外
像が、本書を読むとガラガラと音を立てて崩れて行くのだっ。

鴎外の時代にインターネットがなくてよかったよ。この人、絶対他人の
ブログが炎上するようなことをしたと思うもの。